2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17014011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 徹 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70150745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 善博 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (10376642)
那須 亮 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (30466859)
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Keywords | がん遺伝子 / がん抑制遺伝子 / アポトーシス / がん幹細胞 / APC / Asef / Wnt / p53 |
Research Abstract |
1)大腸がんで変異を起こしたAPCがRac、Cdc42を標的とするGEF分子Asef、Asef2に結合して活性化し、がん細胞の運動能、浸潤能を高めること、Asef、AsefノックアウトマウスはAPCに変異がおきてもポリープができにくいことが明らかとなった。浸潤能の亢進には、Rac-JNK-c-Junw介したMMP9の発現増大が重要な役割を果たすと考えられた。事実、MMP9特異的阻害剤を投与するとMinマウスに発症するポリープ数は減少した。 2)APCがsplicing factorの一種Sam68に結合してhnRNP A1の機能を阻害することによりsplicingを制御していることを見出した。さらに、APC-Sam68はTCF-1のsplicingを制御する活性をもつが、大腸がんで変異しているAPCにはこの活性がないこと、その結果TCF-1Eの量が増大し、がん化に寄与することを示した。 3)DNAストレスおよびTGF-beta刺激によってRNA結合タンパク質D8の発現が増大し、Bimの発現増大を引き起こしてアポトーシスを引き起こすことを明らかにした。D8の発現増大には、p53だけでなくSp5も関与していることを明らかにした。 4)大腸がんおよび神経膠腫のがん幹細胞を培養し、RNAiライブラリーを用いて、CD133、Lgr5などの幹細胞マーカーを指標に造腫瘍性に重要な遺伝子を同定した。Notchシグナル、Wntシグナルの構成要素以外に機能未知の複数の1回膜貫通型タンパク質、7回膜貫通型タンパク質が造腫瘍性に重要であることを明らかにし、それらの分子の機能を解析した。
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Research Products
(10 results)