2006 Fiscal Year Annual Research Report
日系移民のがんの疫学研究とその成果に基づく予防法の開発
Project/Area Number |
17015049
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
津金 昌一郎 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 予防研究部, 部長 (40179982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 基 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 予防研究部, 室長 (60392338)
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Keywords | ブラジル日系移民 / がん / 乳がん / 大腸腺腫 / 症例対照研究 / 断面研究 / 環境要因 / 遺伝的素因 |
Research Abstract |
ブラジルに居住する日系人を対象に、がんの発生要因を解明し、日本人にとって効果的な予防法を開発するために、症例対照研究や断面研究などの手法を用いた疫学研究を行っている。 乳がんの症例対照研究は、平成17年度に対象者の収集が終了したサンパウロ州在住日系人(114例)と非日系人(421例)の2つの症例対照セットに、環境要因による発がんの影響を修飾する遺伝素因の役割についての検討を効率的に行えるように、別の研究費により収集した日本在住日本人(406例)を加えた3セットに対して、末梢血からのDNAの抽出を行い、エストロゲンの合成・代謝や環境化学物質の代謝に関連する遺伝子、ホルモン受容体遺伝子などを中心とする40遺伝子60多型の解析を行った。また、日系人と非日系人で摂取量が大きく異なり、乳がんとの関連が疑われているイソフラボンとの関連を予備的に検討した。日系人のゲニステイン摂取量の中央値は7.7mg/日であり、乳がんリスクとの間に有意な負の関連が見られた。一方、非日系人のうちゲニステインの摂取ありの者の割合は11%であり、非摂取群に比べて乳がんリスクは低いものの有意ではなかった。 乳がんの症例対照研究の対照群の一部を対象に、平成15年から16年度にかけて行った食物摂取頻度調査の妥当性研究は、平成17年から継続している食事記録のデータベース化・データクリーニング作業が終了し、妥当性と再現性の検討を行った。 大腸腺腫の断面研究は、サンパウロ州在住日系人を対象に大腸腺腫保有に関連する要因を明らかにすることを目的に、平成17年度よりプロトコールの作成、調査協力病院の確保、食物摂取頻度調査票作成、倫理審査委員会への申請などの準備を進めてきた。今年度はブラジル側の倫理審査委員会(施設及び国レベルの2段階)の承認が得られ、調査協力病院でのパイロット調査を経て、1つの調査協力病院で本調査を開始した。
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Research Products
(5 results)