2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子治療ベクターの開発と悪性腫瘍モデルコモンマーモセットを用いた前臨床研究
Project/Area Number |
17016053
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 憲三朗 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内丸 薫 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (60251203)
佐藤 宏樹 東京大学, 医科学研究所, 助教 (50418654)
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Keywords | コモンマーモセット / TARC / bcr / abl 融合遺伝子 / GM-CSF遺伝子導入腫傷ワクチン / RANTES / アデノウイルスベクター / センダイウイルスベクター / RENCA 細胞 |
Research Abstract |
難治性悪性腫瘍(白血病を含む)に対する新規遺伝子治療法開発を目的に、GM-CSF遺伝子導入腫瘍ワクチンとケモカイン分子であるTARCもしくはRANTESタンパクを混合した混合ワクチンのin vivo効果を検討し、これらの併用効果を明らかにした。この際、ケモカイン混合ワクチンE投与群ではGM-CSF単独ワクチン群と比較し有意に自然免疫ならびに獲得免疫系の活性化による抗腫瘍効果の増強を認めた。さらにGM-CSF遺伝子導入用ベクターとしてアデノウイルス(E1(-))及びセンダイウイルス(ΔF)の2つのウイルスベクターをそれぞれ用いた腫瘍ワクチン細(RENCA:マウス腎癌細胞)を作成し,遺伝子導入効率及びマウス自家腫瘍モデルにおける抗腫瘍効果誘導の比較検討を行い,両ベクターにおいて同等の抗腫瘍免疫誘導効果を認めた.これらの結果をもとに現在、GM-CSF遺伝子導入腫瘍ワクチンの抗腫瘍効果増強にTARCおよびRANTES発現センダイウイルスベクターによる併用遺伝子導入が有効であるか否かを検討中である。さらにサルに悪性腫瘍モデルを作出することは今後の遺伝子治療用ベクターを含む新規分子標的薬開発研究に必須であると考えられることから、コモンマーモセット(CM)において白血病モデル作出研究を行っている。特に現在、p190タイプbcr/abl融合遺伝子発現シュードタイプレンチウイルスベクターをCM骨髄内に直接接種した場合の骨髄細胞への遺伝子導入効果を検討中であり、遺伝子導入1年5ケ月後の2個体の末梢血単核球および骨髄単核球コロニー形成細胞でのRT-PCR検査結果から、bcr/ab1陽性コロニーを観察したことから、本insitu遺伝子導入法の有効性が強く示唆された。しかしまだ白血病発症は認められないことから、今後同方法を用いた複数遺伝子導入法の検討を新生仔コモンマーモセットを用いて行う予定である。
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Research Products
(13 results)