2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子治療ベクターの開発と悪性腫瘍モデルコモンマーモセットを用いた前臨床研究
Project/Area Number |
17016053
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 憲三朗 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
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Keywords | コモンマーモセット / RANTES / レンチウイルスベクター / センダイウイルスベクター / ロイコトリエン / BLT1ノックアウトマウス / bcr / abl融合遺伝子 / 白血病 |
Research Abstract |
難治性悪性腫瘍(白血病を含む)に対する新規遺伝子治療法開発を目的に、これまでの我々の研究結果からGM-CSF遺伝子導入腫瘍ワクチンとの併用効果が示唆されたケモカイン分子であるTARCもしくはRANTESについてTARCおよびRANTES発現センダイウイルスベクターを作製し、それらのGM-CSF遺伝子との併用遺伝子導入ワクチン細胞の抗腫瘍免疫誘導能を検討したところRANTES遺伝子との併用(相乗)効果が示唆された。現在この結果を担癌マウスモデルにおいて確認中である。さらにロイコトリエンB4受容体(BLT-1)ノックアウトマウスを用いたGM-CSF遺伝子導入細胞のin vivo腫瘍形成試験及び腫瘍再接種試験結果から、大変興味深いことに同ノックアウトマウスにおいてGM-CSF遺伝子導入細胞接種により長期に抗腫瘍免疫効果が維持されることが明らかになり、GM-CSF、ロイコトリエンB4分子と抗腫瘍免疫メモリー細胞との関連性が示唆され、現在詳細な免疫学的解析を実施した。さらにサルに悪性腫瘍モデルを作出することは今後の遺伝子治療用ベクターを含む新規分子標的薬開発研究に必須であると考えられることから、小型霊長類コモンマーモセット(CM)において白血病モデル作出研究を行っている。特にp190タイプbcr/abl融合遺伝子発現シュードタイプレンチウイルスベクターをCM骨髄内に直接接種した2個体中1個体では遺伝子導入後2年間、末梢血単核球および骨髄単核球コロニー形成細胞でbcr/abl陽性であった。しかもこの個体は2年後に骨髄線維症を発症した。現在遺伝子導入と骨髄線維症発症の因果関係について遺伝子レベルでの検索を行っている。さらに現在、同方法を用いた複数遺伝子(bcr/abl±mll/enl)導入効果について新生仔コモンマーモセットを用いて検討した。
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Research Products
(9 results)