2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子治療ベクターの開発と悪性腫瘍モデルコモンマーモセットを用いた前臨床研究
Project/Area Number |
17016053
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 憲三朗 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
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Keywords | 成人T細胞性白血病・リンパ腫 / 顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子 / 腎癌 / 麻疹ウイルス / 腫瘍溶解性ウイルス療法 / HTLV-1 / 遺伝子治療 / コモンマーモセット |
Research Abstract |
白血病を含む難治性悪性腫瘍に対する新規治療法開発を目的に、これまで我々が実施した第一相臨床研究結果から転移性腎癌患者での抗腫瘍免疫誘導の可能性が示唆されたGM-CSF(顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子)遺伝子導入腫瘍細胞を用いた免疫遺伝子治療法において、その治療効果を強化するための併用療法開発研究を行ってきた。本年度は特に新規腫瘍溶解性療法との併用療法を念頭に腫瘍溶解性麻疹ウイルス療法の開発研究を実施し、われわれが新たに構築した遺伝子改変MV-NPL麻疹ウイルスの抗腎癌細胞効果をin vitroおよびマウスin vivoにおいて明らかにすることができた。本治療法はGM-CSF免疫遺伝子治療法との併用が期待できることから、さらなる前臨床研究を今後行う予定である。一方、このような悪性腫瘍に対する新規分子標的療法・遺伝子治療法を開発していく上ではヒトと類似性の低いマウス腫瘍モデル系での前臨床研究では限界があり、類似性の高い動物において腫瘍モデル系を作出する必要があると考えられる。今年度は白血病の中でも特に予後の悪い、成人T細胞性白血病・リンパ腫モデルを、小型霊長類コモンマーモセットに作出する研究を行った。その結果、HTLV-1産生細胞(MT-2)接種コモンマーモセット末梢血中にPCRレベルで持続するHTLV-1プロウイルスの存在と、抗HTLV-1抗体の持続を観察し、本個体がHTLV-1キャリア個体となったことが証明された。現在発症の有無について経過観察中であるとともに、個体数を増やして再現性を確認する研究を継続中である。
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Research Products
(6 results)