2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016065
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上田 龍三 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (20142169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 滋樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (80254283)
小松 弘和 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60336675)
石田 高司 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80405183)
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Keywords | 抗体療法 / ケモカイン / CCR4 / CD10 / 抗体リモデリング |
Research Abstract |
A). T細胞系腫瘍に対するケモカインレセプターCCR4を標的とした抗体療法(上田、小松、石田): 申請者等の基盤的研究により、臨床応用に至ったヒト化抗CCR4抗体の臨床第1相試験を欧米諸国に先駆け、日本で推し進めた。対象疾患は再発難治性のCCR4陽性の成人T細胞性白血病リンパ腫(ATLL)及び筋状息肉症(MF)、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)等を含むCCR4陽性の末梢性T細胞性リンパ腫(PTCL)である。ヒト化抗CCR4抗体0.01, 0.1, 0.5, 1.0腹mg/kgを1週間隔で4回静脈内投与し、低い投与量から3名ずつ(最大6名)集積し、安全性が確認された後、段階的に高い投与量へ移行した。用量制限毒性(DLT)が3名以上認められた投与量を最大耐量(MTD)、その1段階下の投与量を推奨用量(MTDに達しなかった場合は1.0mg/kg)と定義し、推奨用量に更に新たな3名を追加した。0.01mg/kgから1.0mg/kgまで順次増量していく中(計13名)でDLTは認められず、MTDに達しなかったため、推奨用量は1.0mg/kgとなり、更に3名が追加された(合計16名)。本第1相試験の患者登録はH20年8月で完遂した。推奨用量(LOmg/kg)に追加された3名中1名に、DLTに該当する有害事象(好中球減少Grode4、発熱性好中球減少Grqde3並びに皮疹Grode3)が認められたが、投与量1.0mg/kgにおけるDLTの発現は6名中1名であったことから、1.0mg/kgまで忍容可能と判断された。ここに日本発世界初のがん治療抗体の第1相試験が終了し、第II相試験における推奨用量は1.0mg/kgに決定し、H21年4月現在第1相試験の準備中である。さらに、抗体療法の基礎検討として、ヒト免疫担当細胞を移入したヒト化NOD/SCID/Ycnull(NOG)マウスで腫瘍モデルを構築した。本モデルマウスにより、従来のモデルマウスでは不可能であった、ヒト免疫担当細胞をエフェクターとしたADCCがマウスin vivoで評価可能となった。B). 自血病・リンパ腫におけるCD10を標的とした抗体療法(上田、佐藤): CD10陽性の固形腫瘍に対するヒト化抗CD10抗体の抗腫瘍効果をin vitro及びマウスin vivoで評価した。さらに難治性白血病であるT3151変異を有するフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病に対する、本抗体薬の治療効果を確認した。
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Research Products
(4 results)