2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016065
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上田 龍三 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (20142169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 滋樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (80254283)
小松 弘和 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60336675)
石出 高司 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80405183)
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Keywords | 抗体療法 / ケモカイン / CCR4 / CD10 / 抗体リモデリング |
Research Abstract |
研究者等の基盤的研究により、臨床応用に至ったヒト化抗CCR4抗体(KW-0761)の臨床第I相試験が前年度までに終了した。その結果i) KW-0761は、これまでのIgG抗体薬と比較し、ヒト体内で同等の安定性を有する。ii) 推奨投与量は1.0mg/kgである。iii) 低容量から強いADCC活性を誘導し、長期間の寛解例が認められる、等の事柄を明らかに、詳細にまとめJ Clin Oncol.に報告した。これら臨床で観察しえた事実は、それまで研究者が前臨床研究で明らかにしてきた基盤的事実の、臨床現場における実証(proof of concept)であった。 今年度は第I相試験で確定した推奨容量に基づき、再発成人T細胞性白血病リンパ腫に対する第II相試験を実施した。H21年6月から患者登録が始まった本第I相試験はH22年3月までには予定の全患者登録が終了した。観察期間の後、本第II相試験の結果をまとめ、早期の承認申請を目指す。本研究の目的はCCR4を標的とした抗体療法を医療として患者さんの元に届けることであり、確実に進捗していると考える。 確実な医療を支えるのは科学的基盤である。研究者らは引き続きがん抗体療法の基盤研究を推し進めた。NOGマウスを用いた様々な悪性リンパ腫モデルを作製し、病態解析研究特にリンパ腫幹細胞に焦点を当てた研究を推し進めた。さらにNOGマウスを用い、ヒトautologous ADCCをマウスin vivoで再現する系を確立しえた。また、多数の患者さんATL細胞、自己エフェクタ-細胞を用いた検討の結果、KW-0761の誘導するADCC強弱の程度は、標的細胞のCCR4の発現量よりもむしろエフェクタ-細胞中のNK細胞の数に依存することを明らかにした。
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Research Products
(5 results)