2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016079
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長田 裕之 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 主任研究員 (80160836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 龍彦 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 先任研究員 (30260227)
室井 誠 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 先任研究員 (30261168)
植木 雅志 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 先任研究員 (90312264)
清水 史郎 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 研究員 (30312268)
叶 直樹 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 先任研究員 (40317293)
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Keywords | リベロマイシンA / 骨転移 / プロテオーム / イエジマライド / V-ATPase |
Research Abstract |
癌骨転移の発症・進行には、破骨細胞による骨吸収(骨破壊)が重要な役割を担っている。我々はこれまでに、ヒト小細胞肺癌多臓器転移モデルマウスでの検討から、ポリケチド化合物リベロマイシンAが溶骨性骨転移を有意に抑制することを明らかにしてきた。今年度我々は、リベロマイシンAが破骨細胞選択的にアポトーシスを誘導することを見出し、in vitro及びin vivoにおいて破骨細胞の骨吸収を阻害することを明らかにした。その作用機序として、破骨細胞周辺の酸性環境に依存したりベロマイシンAの細胞内への取り込みが、破骨細胞に対する選択性を発揮する要因であることを報告した(PNAS,103,4729-34(2006))。 また、プロテオームを基盤とした新しい薬剤標的タンパク質同定法の開発を行った。まず、HeLa細胞や酵母に種々の既知化合物を処理し、その後2D-DIGE法を用いて未処理細胞と処理細胞間でたんぱく質の変動をプロテオーム解析し、それらをデータベース化した。本系を利用して、まだ標的分子が同定されておらず、培養がん細胞に対して増殖抑制効果を示すイエジマライドの標的分子の解析を行った。その結果、イエジマライド処理した細胞のプロテオーム・プロファイルは、V-ATPase阻害剤として知られているパフィロマイシンのそれと類似していた。実際に、イエジマライドが粗精製したV-ATPaseを直接阻害することを明らかにした。今後は、さらなるデータベースの充実のために、既知化合物のプロファイルを増やしていくとともに、作用点が不明な化合物の標的分子を同定していく。
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Research Products
(18 results)