2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016079
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長田 裕之 The Institute of Physical and Chemical Research, ケミカルバイオロジー研究基盤施設, 施設長 (80160836)
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Keywords | フミトレモルジン / プロテオミクス / 生合成遺伝子 / 天然化合物 / p38 |
Research Abstract |
本申請課題の目的は、微生物化学と有機合成化学を基盤として抗がん剤のリード化合物を探索・創製することである。今年度に得られた主な研究成果を下記する。 1、遺伝子改変微生物を用いた生理活性物質生産:BCRP(Breast Cancer Resistance Protein)阻害剤フミトレモルジンの生産菌解析では、その生合成経路の全容を解明し、人工的経路改変によってさまざまなフミトレモルジン類縁化合物を創製した。フミトレモルジンC及びデメトキシフミトレモルジンCに強いBCRP阻害活性を見出した。また、ホスファターゼ阻害剤ボスラクトマイシンの生合成前駆体であるデアミノヒドロキシボスラクトマイシンに、ヒト白血病細胞株HL・60細胞の分化を誘導する活性があることを見出した。 2、薬剤の作用標的研究:2D-DIGEを用いた薬剤プロテオームシステムについて、新たに10種類のスタンダード化合物を解析し、プロテオームデータベースを拡張させた。また、本システムのさらなる精度向上を目的に、リン酸化タンパク質の発現変動に絞ったプロテオーム解析を導入した。作用機序の異なる複数のトポイソメラーゼII阻害剤の解析から、本システムは、標的分子が同一であつても作用機序が異なる場合、それら阻害剤を明確に区別できることがわかった。11種類の作用未知化合物についてプロテオーム解析を行い、それぞれの化合物の作用機作を推定した。 3、新規化合物のスクリーニング:リン酸化依存性タンパク質・タンパク質相互作用阻害剤やp38MAPキナーゼ阻害剤探索のためのハイスループットスクリーニング系を構築した。微生物プロスやNPDepo化合物ライブラリーを用いてスクリーニングを行い、新たなp38阻害剤として3Bn7H4Mを見出した。
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Research Products
(88 results)