2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17018041
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
田畑 哲之 Kazusa DNA Research Institute, 副所長 (70197549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 正代司 基礎生物研究所, 共生システム研究部門, 教授 (30260508)
佐伯 和彦 奈良女子大学, 理学部, 教授 (40201511)
南澤 究 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70167667)
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Keywords | マメ科植物 / 根粒菌 / 共生窒素固定 / タンパク質相互作用 / ミヤコグサ |
Research Abstract |
マメ科植物-根粒菌の根粒形成のオートレギュレーションに関わる遺伝子のうち、地上部から根へのシグナル伝達能が失われたklavier(klv)の遺伝子をミヤコグサから単離した。構造分析の結果、KLVグは、細胞外に22個のLRRと1つのislandを持つ受容体型キナーゼをコードしており、シロイヌナの雄性不稔や胚発生に関わるRPK2/TOAD2と最も高い相同性を示すことがわかった。しかし、klv変異体とrpk2/toad2変異体の表現型は大きくことなっており、シロイヌナズナ(アブラナ科)とミヤコグサ(マメ科)で遺伝子機能が大きくことなることが示唆された。 ミヤコグサ根粒菌で作製したトランスポゾン挿入変異株ライブラリーを用いて、新規共生窒素固定関連の候補127遺伝子のうち108遺伝子について挿入変異株が得られた。これらを宿主植物ミヤコグサに接種した結果,解析が終了している98遺伝子の挿入変異株のうち22変異株で共生過程における表現型の変化が認められた。検出された表現型を分類すると、根粒数の減少:7株、根粒数の増加:3株、根粒形成の遅延:4株、根粒形成の早期化:1株、根粒形成の遅延と減少:2株、根粒形成の遅延と増加:1株、窒素固定活性の低下:6株(根粒数の減少や根粒形成の遅延)のようになった。 国内の野生ミヤコグサの根粒から単離された根粒菌菌株と国外のミヤコグサ近縁宿主の根粒から単離された菌株について、PCRゲノムスキャンおよび50-merオリゴアレイを用いた比較ゲノムハイブリダイゼーション(cgh)によるゲノム構造比較を行った。その結果、国内株と国外株の共生アイランドが共通の祖先から進化してきたものの、国内株では一旦は共生アイランドに挿入された4型分泌系遺伝子群を置換するように3型分泌系遺伝子群が挿入され、独自に進化を遂げて種レベルでの宿主特異性に機能していることが判明した。
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