2008 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質基底核系のアクション・認知機能における動機づけの役割
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17022032
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木村 實 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 教授 (40118451)
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Keywords | 動機づけ / 大脳基底核 / ドーパミン / アクション / 行動戦略 / 意志決定 / 行動選択 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大脳皮質-大脳基底核系のアクション・認知機能における動機づけの役割を明らかにすることである。特定の' 行動戦略' に基づく意志決定と行動選択に線条体が関与するかどうかを調べた。ニホンザルを対象に、3つの押しボタンの中から特定の選択肢を試行錯誤によって選択し、その後そのボタンを再度選択することによって合計2回または3回の報酬を得る行動課題を行わせた。行動選択の後、結果の正否を知らせる強化子(ビープ音)前後の線条体の投射細胞の放電を記録した。線条体には、選択肢の価値(報酬確率 : 第一、第二、第三選択 ; 33%、50%, 85%)、選択肢、そして強化子を表現する細胞が多く見つかった。更に、探索と繰り返しの戦略特異的に放電をする細胞がみられた(251個の細胞中46個)。この結果は、線条体の細胞の活動が行動戦略を表現することを初めて明らかにした。探索細胞は負の強化子に、繰り返し細胞は正の強化子に選択的に応答したので、大脳前頭前野にみられるルールや行動戦略細胞が知識を表現すると考えられることと異なり、線条体の細胞は戦略に基づく意志決定と行動選択に関与することが示唆された。木村と中川は、alpha-synucleinの分解活性を有するneurosinが、細胞内ではERに局在し、細部外でプロテアーゼとして機能する可能性を示した。また、脳脊髄液中のalpha-synucleinのoligomerとmonomerを高感度で測定できる系を確立した。木村と伏木は、ゲノムDNAのメチル化状態の変化をRestriction Landmark Genomic Scanning法によって網羅的に調べたところ、胎齢12.5日目で0.9%、胎齢14.5日目では0.7%のスポットがBPA曝露による変動を示し、DNAメチル化の減少ならびに増加が生じることを明らかにした。
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Research Products
(36 results)
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[Journal Article] Two Japanese CADASIL families exhibiting Notch3 mutation R75P not involving cysteine residue2008
Author(s)
Mizuno T, Muranishi M, Torugun Tango H, Nagakane Y, Kudeken 1 Kawase Y, Kawabe K, Oshima F, Yaoi T, Itoh K, Fushiki S, Nakagawa M.
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Journal Title
Inter Med 47
Pages: 2067-2072
Peer Reviewed
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[Journal Article] Preferred involvement of the basal ganglia after lenticulostriate infarction as a possible indicator of different gray and white matter vulnerability2008
Author(s)
Nagakane Y, Yamada K, Ohara T, Yoshikawa K, Kuriyama N, Takayasu N, Kasai T, Yuki N, Nishimura T, Mizuno T, Nakagawa M.
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Presentation] 三次元動作解析によるパーキンソン病患者歩行の検討2008
Author(s)
瀬尾和弥, 栗山長門, 久保秀一, 松井知之, 奥田求己, 棟近麻衣, 平本真知子, 東善一, 増田隆司, 畠中泰彦, 水野敏樹, 武澤信夫, 長谷斉, 中川正法
Organizer
第2回Movement Disorder Society Japan
Place of Presentation
京都
Year and Date
20081002-04
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[Presentation] NOTCH3関連CADASILとNOTCH3非関連CADASIL2008
Author(s)
水野敏樹, 細見明子, 永金義成, 牧野雅弘, 巨島文子, 山本康正, 川辺清一, 山村修, 松井真, 神田益太郎, 金田大太, 鷲田和夫, 冨本秀和, 中川正法
Organizer
第49回日本神経学会総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
20080515-17
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