2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境地質学、環境化学、14C年代測定にもとづくユーフラテス河中流域の環境変遷史
Project/Area Number |
17063005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
星野 光雄 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 教授 (40023626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 剛 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 教授 (00236605)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合センター, 教授 (10135387)
吉田 英一 名古屋大学, 博物館, 助教授 (30324403)
束田 和弘 名古屋大学, 博物館, 助手 (80303600)
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Keywords | 考古学 / 環境変動 / 環境地質学 / 環境化学 / 年代測定 / 第四紀 / シリア / ユーフラテス河 |
Research Abstract |
現地調査:平成19年に入って、シリア考古庁から待望の調査許可が下り、同年3月9日〜18日の10日間、星野・田中・中村の3名で第一回現地調査を実施した。これに先立って考古学班が現地調査を行い、いくつかの遺跡発掘候補地を選定済みであったため、当班ではこれらの候補遺跡とその周辺の地質・地形の現地調査を行うとともに、堆積物・岩石試料を採集した。2ヶ所の候補遺跡、テル・ハマディーンとテル・ガーネム・アルーアリ周辺の地質は中新世(トートニアン期)の堆積岩類を基盤とし、その上に第四紀の河岸段丘が発達する。中新世堆積岩類は厚さ5-7mの石膏層を特徴とし、砂岩層・泥岩層を挟んで4枚の石膏層が認められる。層理面は北東に4-8°の傾斜を示し、断層・褶曲などの変形構造は認められない。河岸段丘は低位段丘(現在の氾濫原)、中位段丘、高位段丘の3層が識別され、上記2ヶ所の候補遺跡は低位段丘に位置する。以上の調査結果を報告書としてまとめた。 室内実験:[蛍光X線分析]-平成18年度の経費で蛍光X線分析装置を購入し、3ヶ月の調整期間を経て、試験的に分析を開始した。分析試料として、藤井純夫研究班がヨルダンで採集した遺跡の堆積物を使い、主成分化学組成を分析中である。今後は、堆積物の分析についての問題点を解決しつつ、早期の実用化を図る。[^<14>C年代測定]-藤井純夫研究班がヨルダンで採集した古代ダム関連遺物の放射性炭素年代を測定した。当初予想された年代とかけ離れたきわめて若い年代が得られたため、分析試料について再検討が必要となった。この分析結果を報告書としてまとめた。[光学実験]-蛍光X線分析に供した堆積物試料を岩石学的・鉱物学的に詳しく分析し、記載した。 研究会・シンポジウム・外部評価:総括班主催で開催された4回の研究会・シンポジウムに参加し、研究発表を行った。また、領域としての外部評価を受けた。
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Research Products
(3 results)