2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境地質学、環境化学、^<14>C年代測定にもとづくユーフラテス河中流域の環境変遷史
Project/Area Number |
17063005
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
星野 光雄 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 教授 (40023626)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 剛 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (00236605)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
吉田 英一 名古屋大学, 博物館, 准教授 (30324403)
束田 和弘 名古屋大学, 博物館, 助教 (80303600)
|
Keywords | 考古学 / 環境変動 / 環境地質学 / 環境化学 / 年代測定 / 第四紀 / シリア / ユーフラテス河 |
Research Abstract |
現地調査 : 第6次(平成20年4月29日〜5月9日 : 星野ほか6名)、第8次(平成21年3月5日〜3月19日 : 星野ほか5名)の2度にわたり、合同発掘地ガーネム・アリ遺跡とその周辺の地質・地形・植生等の自然環境調査を行った。また、平成17年度購入のサーベイメーターによる環境放射能測定、平成20年度購入の携帯型分光放射計による地表反射分光測定を実施し、次の成果を得た。(1)環境放射能パターンから、遺跡を構成する堆積物と周辺の灌漑農地土壌は別物である。(2)同じ地質であっても、細粒な部分ほど波長帯域全体の輝度が高い。 室内実験 : [化学分析]-平成18年度に購入した蛍光X線分析装置により、現地調査で採集した岩石の主成分及び微量成分分析を行った。これにより、ビシュリ山系にみられる火山岩のほとんどは強アルカリ火山岩であることが判明し、新生代におけるユーフラテス河グラーベンの発達過程を議論するうえでの重要な知見を得た。[^<14>C年代測定]-これまでに採集したガーネム・アリ遺跡産炭化物の^<14>C暦年代は、2850-2500 cal BCの比較的狭い範囲に分布することが判明した。他にも、段丘堆積物に含まれる炭化物、植物、天然水などの^<14>C年代測定を行い、興味深い結果を得た。[花粉分析]-多数の堆積物から花粉化石の抽出を試みたが、表層土壌以外にはほとんど含まれないことがわかった。過去の環境を知るうえで不可欠な花粉化石の抽出は、次年度の最重要課題である。 国際学会・研究会・シンポジウム : 1回の国際学会と6回の国内シンポジウム・研究報告会に出席して研究発表を行うとともに、研究成果を研究報告書などに発表した。
|
Research Products
(15 results)