2008 Fiscal Year Annual Research Report
西アジア先史時代から都市文明社会への生業基盤の変化に関する動物・植物考古学的研究
Project/Area Number |
17063007
|
Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
本郷 一美 The Graduate University for Advanced Studies, 葉山高等研究センター, 准教授 (20303919)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹野 研一 総合地球環境学研究所, 研究部, 上級研究員 (10419864)
那須 浩郎 総合研究大学院大学, 葉山高等研究センター, 上級研究員 (60390704)
|
Keywords | 動物考古学 / 民族考古植物学 / 西アジア / ユーフラテス川 / 環境 / 生業 / 牧畜 / 遊牧 |
Research Abstract |
シリア、トルコ、ヨルダンの遺跡から出土した動植物遺存体の分析を継続した。動物遺存体に関してはビシュリ山系のテル・アーネム・ガリ遺跡(前期青銅器時代)の試掘調査に伴い出土した同時期の北シリアの遺跡であるテル・ブデリ遺跡およびテル・モザン遺跡の動物遺存体資料(ドイツ、チュービンゲン大学所蔵)の分析を行った(研究協力者 : オマル担当)ほか、トルコ南東部の新石器時代遺跡から出土した資料の分析を継続した(研究代表者 : 本郷担当)。植物遺存体資料に関しては、ガーネム・アル・アリ遺跡、トルコのサラット・ジャーミ・ヤヌ遺跡、ヨルダンのワディ・アブ・トレイハ遺跡において植物遺存体資料の採集と分析を行った。ガーネム・アル・アリ遺跡では、遺跡周辺の植生調査も行い、現在の集落からの距離と生育する植物の種類についてデータを蓄積した。植物遺存体資料の収集と分析は那須、丹野(研究分担者)、赤司〔研究協力者〕が担当した。 これまでの研究により、新石器時代の初期農耕集落の生業基盤に関し、利用された資源の多様性、量、等について動物質食料、植物質食料の両面から明らかにすることができた。ビシュリ山系地域の前期青銅器時代遺跡の生業は、基本的には新石器時代末までに成立した定住農耕村落の資源利用の伝統を継承するものであったと考えられる。最終年度は、遊牧を生業とする集団との関わりと、都市文明社会の成立を背景とする経済的な変化の中で、前期青銅器時代の動物・植物利用にもたらされた変化や技術的革新について、さらに研究を進める。
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] Putting the Meat Back on Old Bones : A Reassessment of Middle Palaeolithic Fauna from Amud Cave (Israel). (Archaeozoology of the Near East VIII, edited by Vila, E., Gourichion, L., Choyke, A. M., & Buitenhuis, H.2009
Author(s)
Horwitz, L. K. & Hongo, H.
Total Pages
646(45-64)
Publisher
Archeorient, Maison de l'Orient et de la Mediterranee
-
-