2009 Fiscal Year Annual Research Report
古代西アジア建築における組積技術の形態と系譜に関する研究
Project/Area Number |
17063011
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
岡田 保良 Kokushikan University, イラク古代文化研究所, 教授 (90115808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深見 奈緒子 , イラク古代文化研究所, 共同研究員 (70424223)
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Keywords | 建築組積 / ドーム / コッベ住宅 / 日乾煉瓦 / シリア / テル・ガーネム・アル・アリ |
Research Abstract |
平成21年度はシリアにおける建築遺構の調査を中心に、当該計画に沿って研究を進め、以下のような成果をのこした。 1.平成21年12月、上記の岡田、深見のほか、連携研究者吉武隆一、辻村純代の両氏、さらに他研究班代表の宮下佐江子氏が加わり、前2千年紀からイスラーム初期までを視野に入れ、比較の視点から調査した内容は以下の通り:。 1)領域研究班共通の遺跡、テル・ガーネム・アル・アリでは、第13次現地調査として、おもにEB期の日乾煉瓦と石材の併用状況を観察した。 2)遺跡踏査では、同じ初期イスラーム時代に造営されながらもドームを含め煉瓦組積を主とするカスル・アル・ヘイル東遺跡、ササーン朝を偲ばせる石材組積のヘラクラ遺跡の建築術の相違が注目され、土木遺構といえる気宇壮大なハルバカ・ダム遺構や沙漠域に立地する神殿風建築に、ローマ文化のシリアへの浸透の度合いを印象付けられた。 3)コッベ型と呼ばれる日乾煉瓦ドームを主体とする集落では、青銅器時代、あるいはそれ以前に遡る同様の組積術との系譜的関連の追及に課題が残った。 2.研究集会として、 1)22年2月の領域全体の報告会で岡田が研究課題の総括を発表、 2)21年7月に金沢で開催された第16回ヘレニズム・イスラーム考古学研究会では、岡田、深見、吉武がそれぞれのテーマで研究成果の一端を報告。 3)国士館大学では、本研究参画者と、イラク古代文化研究所共同研究員と合同での研究会を3度開催し、本課題について広く意見を交換した。
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Research Products
(15 results)