2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17070001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 裕和 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10192642)
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Keywords | 実験核物理 / ハイパー核 / ガンマ線 / ストレンジネス / ゲルマニウム検出器 / PWO検出器 |
Research Abstract |
●J-PARCで最初に行うハイパー核γ線分光実験E13の準備を以下のように行った。 1.ゲルマニウム(Ge)検出器群Hyperball-Jの組み立て (1)購入した多数のGe検出器について、パルス管冷凍機を接続して放射線損傷に強い低温Ge検出器を作り上げた。これらの性能を詳細に調べ、エネルギー分解能、時間分解能ともに十分な性能を確認した。 (2)バックグランド抑止用PWOカウンターについて、結晶のラッピング材を工夫することでさらに光量を3割増加させることに成功した。また、結晶をハウジングに組み込み、冷却試験を行った。 (3)Hyperball-Jの架台を完成させ、昇降機能のテストを行った。 (4)Ge検出器の出力信号の波形解析による読み出し法の開発を進めた。baseline補正とpile-up信号の分解により分解能と検出効率が大幅に改善することを確かめた。また、前段の信号処理について業者と共同で開発を始めた。 2.SKS磁気スペクトロメータ系の準備とテスト (1)E13でもちいるJ-PARC K1.8ラインのSKS磁石の出口側検出器の架台を製作し、完成した大型drift chamberを設置、TOFカウンター、ルサイトチェレンコフカウンターも増強して設置した。その後、実際にビームを用いてデータを収集し、上流側の検出器系とあわせて、磁気スペクトロメータ系の運動量分解能などの性能が十分発揮されていることが確かめられた。 ●KEK-PS E566実験(^<12>C標的による^<12>_ΛC,^<11>_ΛBハイパー核の精密ガンマ線分光)の最終結果がまとまった。新たに^<12>_ΛCの1^-→1^-,2^-→1^-のγ遷移が観測され、^<12>_ΛCの基底状態二重項間隔が161keVと決まった。^<11>_ΛBの基底状態二重項間隔(263keV)とあわせ、ΛNスピンスピン相互作用の強さがΔ=0.33MeVに確定した。
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Research Products
(15 results)