2005 Fiscal Year Annual Research Report
高アイソスピン状態のストレンジバリオン多体系の分光
Project/Area Number |
17070003
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阪口 篤志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70205730)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味村 周平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10273575)
岸本 忠史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90134808)
福田 共和 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (50116092)
|
Keywords | ストレンジネス / ハイパー原子核 / バリオンバリオン相互作用 / 高アイソスピン状態 / バリオン多体系 / アイソスピン対称性 |
Research Abstract |
本研究では、約3年後に使用可能となる予定のJ-PARC原子核素粒子実験施設における実験に向け準備を行っている。この新施設で世界に先駆け実現可能な事として、本研究ではスペクトロメータ実験ではこれまで未生成だったラムダ・ハイパー原子核を多数生成しその性質を研究することを主眼とする。これに向けた本年度の研究内容と成果を以下に述べる。 1.荷電交換(SCX)反応と2重荷電交換(DCX)反応について、原子核素粒子実験施設にて得られる二次ビーム強度および反応断面積の運動量依存、利用可能なスペクトロメータ、その他各種実験条件等を考慮し、J-PARC完成時における具体的な実験デザインを行った。これらを元に2006年4月末までに募集される実験提案書の準備を開始した。 2.SCX反応の一種である(π-,K_s)反応を用いる場合、K_s粒子の測定には精度のよいvertex検出器が必要である。Vertex検出器の候補としてscintillation fiber検出器を想定した開発を開始した。またこのvertex検出器による効率のよい実験トリガー生成のためのロジック回路を導入し、そのソフトウェア開発を開始した。 3.原子核素粒子実験施設にてJ-PARC完成後速やかに二次ビームラインおよび測定システムを利用可能とするためには、他班との協力体制が必要である。二次ビームラインの準備はA02・岩崎班と、測定器システムの準備についてもA02・岩崎班および中野班と協力することが確認された。 4.未生成のラムダ・ハイパー原子核生成に有効と考えられる反応は、SCX、DCX反応以外には、高エネルギー重イオンビームを用いる方法がある。この手法の実現を検討中のドイツGSI研究所グループとの情報交換を行った。目的の類似性と共に、vertex検出器およびトリガー回路開発に共通の課題があり、協力の意義が大きいことが分かった。
|
Research Products
(6 results)