2006 Fiscal Year Annual Research Report
高アイソスピン状態のストレンジバリオン多体系の分光
Project/Area Number |
17070003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阪口 篤志 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70205730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味村 周平 大阪大学, 大学院理学研究科, 助手 (10273575)
岸本 忠史 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (90134808)
福田 共和 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (50116092)
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Keywords | ストレンジネス / ハイパー原子核 / バリオンバリオン相互作用 / 高アイソスピン状態 / バリオン多体系 / アイソスピン対称性 |
Research Abstract |
本研究では、約2年後に使用可能となる予定のJ-PARC原子核素粒子実験施設における実験に向け準備を進めている。この新実験施設で世界に先駆け実現可能な事として、本研究ではスペクトロメータ実験ではこれまで未生成だったラムダ・ハイパー原子核を多数生成しその性質を研究することを主眼とする。これに向けた本年度の研究内容と成果を以下に述べる。 1. J-PARC完成時に実施可能となる実験のデザインを完了し、それを元に2通の実験提案書を作成した。両実験提案書はJ-PARCのプログラム検討委員会で審査が行われ、実験実施の意義が認められた。今後、実験実施の最終的な決定が得られるよう、技術的な審査に向けて準備を進めている。 2. AO2・岩崎班と協力し、実験に必要な飛跡検出器の基本設計および飛跡検出器用ソレノイド電磁石の最終設計を行った。今後、飛跡検出器の最終設計および本研究での使用形態の検討を進めている。 3.ハイパー原子核の崩壊により生じる陽子、中性子、パイ中間子等の測定のための測定器系の概念設計を行った。またこの測定器系の一部となる粒子弁別のための検出器の開発を開始した。 4.未生成のラムダ・ハイパー原子核生成方法は本研究の手法以外では、高エネルギー重イオンビームを用いる可能性がある。この別手法を検討中のドイツGSI研究所のグループとの協力を開始した。GSIでの実験提案は認められ、実験に必要なvertex検出器のテスト実験に参加した。なお、このvertex検出器に関連する技術は将来J-PARCでも活用の可能性が高いため、今後も測定器開発に協力してゆく。
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Research Products
(6 results)