2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17071008
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
坪田 誠 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (10197759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 徹 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (10156333)
矢野 英雄 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70231652)
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Keywords | 超流動ヘリウム / 量子渦 / 超流動乱流 / 量子流体力学 / ボース・アインシュタイン凝縮 / 乱流 / 2流体モデル |
Research Abstract |
量子渦はボース凝縮系に特有な位相欠陥であり,低温物理学における重要な研究対象として,主に超流動ヘリウムを舞台に,膨大な研究が行われて来た.一方,原子気体ボース凝縮系でも量子渦が観測され,膨大な研究が行われている.本研究は,超流動ヘリウムおよび原子気体ボース凝縮系というスーパークリーンな系での,量子渦とそれが引き起こす超流動乱流の新しい物理を研究し,量子流体力学の構築を目指すものである.本年度の主な研究実績は以下の通りである. (1)巨視的波動関数が従うグロス・ピタエフスキー方程式の数値解析を行うことにより,量子渦が作る超流動乱流(量子乱流)が,古典流体の最も重要な統計則であるコルモゴロフ則を示すことを明らかにした. (2)超流動ヘリウム3において,常流体が存在しない超低温下で,量子渦の不安定性と超流動乱流の発現を明らかにした. (3)常流体の存在しない超流動ヘリウム4中での振動子の振る舞いを調べ、振動子表面に量子渦が付着していることを明らかにした。 (4)振動速度による振動子の応答を調べ、付着量子渦が振動子周りの流れを層流から乱流へ遷移させることを明らかにした。 (5)層流状態にある付着量子渦のサイズは、振動子速度が上がるにつれて徐々に増加するのに対し、乱流状態では急激に減少することを明らかにした。
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