2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17071009
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
石川 修六 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 准教授 (90184473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 克彦 広島大学, 名誉教授 (90034743)
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Keywords | 超流動ヘリウム / エアロジェルの不純物効果 / 量子渦 / 超流動相の共存 / Keldsh形式準古典的グリーン関数法 / 近接効果 |
Research Abstract |
実験グループでの回転する超流動ヘリウム3の研究では、他の理論グループより提案を受けた細い円筒容器内の渦構造の転移について、その検証のための測定を行った。回転実験より、明確な臨界角速度を持つMermin-Ho構造とRadial disgyration構造の間の転移と考えられるNMR吸収信号の変化を観測した。転移温度直下では臨界角速度の温度変化の振る舞いは理論予想と異なった。以前の測定セルを用いて最高角速度12rad/sまでの回転実験からIntrinsic angular momentumの存在に関する新たな証拠を得た。エアロジェル中の第4音波のエネルギー損失より、理論グループが提案した"摩擦"機構を特徴づける摩擦の緩和時間の温度依存性を得た。定性的には理論グループが得た計算結果と非常によい一致であった。これまでの理論グループの計算結果と定性的に非常に良い一致を示した。しかし、絶対値は2桁異なる。この理由はわかっていない。理論グループは以下の成果を得た。振動子の表面をヘリウム4膜でコートすると、表面でのヘリウム3準粒子散乱の鏡映度が増加する。その場合の表面状態密度と音響インピーダンスの計算を行い、対励起に加え、熱励起されている準粒子の散乱による異常が現れることを予言し東工大グループの実験で確認された。エアロジェル中の液体ヘリウム3と純粋な超流動ヘリウム3の間の近接効果を調べ、秩序パラメータの奇周波数成分の振舞を明らかにした。超流動3He-B薄膜の帯磁率を調べ、表面束縛状態の存在によって膜に垂直方向の帯磁率が大幅に増強され、極めて異方的な帯磁率を持つことを明らかにした。
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