2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17081002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60155463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 純男 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (60323036)
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Keywords | 血液脳関門 / 血液脳脊髄液関門 / 脂質代謝 / コレステロール / 24-S-水酸化コレステロール / リポタンパク質 / LXR / ApoE |
Research Abstract |
Cholesterol (Chol)は脳内でde novo合成され、全身の25%が脳に保持される。本研究は、脳関門におけるChol及びその代謝体の輸送機構とその制御について明らかにすることを目的とした。脳内Cholの主要代謝体24-S-hydroxycholesterol (24-S(OH)Chol)は、血液脳関門に発現する有機アニオントランスポーターoatp2によって脳から血液方向へ排出された。脈絡叢上皮細胞(CPE)モデルとして条件的不死化ラット脈絡叢上皮細胞株(TR-CSFB)を用いて解析を行った。CPEおよびTR-CSFB細胞にLXRα,LXRβ mRNAが発現していた。CPE及びTR-CSFB細胞にATP binding cassette transporter A1 (ABCA1), ABCG1が発現し、LXRリガンドT0901317,24-S(OH)Chol処理によってTR-CSFB細胞のABCA1及びABCG1のmRNAとタンパク発現は顕著に誘導された。Transwellに培養したTR-CSFB細胞からapoA-1および高密度タンパク質(HDL)を介した[^3H]-Cholのapical方向への排出は、24-S(OH)Chol処理で顕著に増加した。ApoE3による[^3H]-Cholのapical方向への排出は,apoE4よりも約30%大きかった。ApoE4はアルツハイマー病(AD)の危険因子であり、AD患者では中枢Chol恒常性の破綻が報告され、加齢に伴うCPEの形態学的な変化が大きく脂質の過剰蓄積が報告されている。CPEにおけるChol排出輸送のapoE isoform特異性は、CPEでの脂質蓄積性やADの病態形成に影響を与える可能性が示唆された。
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