2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17081002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 東北大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60155463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 純男 東北大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (60323036)
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Keywords | 血液脳関門 / 血液脳脊髄液関門 / トランスポートソーム / ABCG2 / LRP-1 / GLUT1 / OAT / siRNA |
Research Abstract |
血液脳関門においてGLUT1のグルコース輸送は、脳への栄養供給経路として重要な役割を果たしている。また、GLUT1欠損症候群は、抗てんかん薬耐性小児てんかん症として報告されている。本年度は、GLUT1欠損マウスを世界に先駆けて作成し、GLUT1遺伝子欠損のGLUT1発現および乳酸供給経路として機能するMCT1およびMCT2の発現への影響を検討した。GLUT1のホモ欠損は、胚性致死となった。本結果は、ヒトGLUT1欠損症候群患者は、すべてヘテロ接合体であることと一致している。GLUT1のヘテロ欠損マウスでは、成長期におけるGLUT1の脳におけるmRNA発現に低下傾向が認められた。この結果は、ヒトにおけるGLUT1欠損症候群患者では、小児においてGLUT1の発現が低下し脳へのグルコース供給が低下していることを示唆している。また、GLUT1ヘテロ欠損マウスでは、出生直後の脳におけるMCT1およびMCT2のmRNA発現の上昇が認められた。従って、GLUT1の発現とMCT1およびMCT2の発現は独立しておらず、相互に制御を受けていることが考えられる。また、血液脳関門のトランスポーター遺伝子発現をin vivoで抑制する技術の開発を行った。血液脳関門に発現するOAT3に対するsiRNAをハイドロダイナミックス法によってマウスに投与した結果、血液脳関門のOAT3を介した排出輸送の低下が検出された。本技術は、今後の脳関門トランスポートソーム解析における重要な技術になると考えられる。
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