2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17081002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺崎 哲也 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (60155463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 純男 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (60323036)
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Keywords | 血液脳関門 / 血液脳脊髄液関門 / トランスポートソーム / LXR / P-gp / Mct1 / oatp2 / siRNA |
Research Abstract |
マウスの腹腔内にLPSを投与し、炎症モデルマウスを作成した。ベラパミルを静脈内(bolus and infusion)投与し、血漿中と脳内の薬物濃度比(Kp,br)を測定したところLPS投与群のKp, brが対象群に比べて高い値であったことから、炎症時にP-糖蛋白質の機能が低下することが示唆された。両群について脳毛細血管を単離し、質量分析装置を用いてMdr1a、及びマーカー蛋白質としてNa/K-ATPase,glut1などの蛋白質の絶対発現量を測定したところ、いずれも両群で差が見られなかった。従ってLPS処理によってMdr1aの1分子あたりの排出輸送活性が低下したことが示唆された。この原因として、Mdr1a細胞内ドメインのリン酸化による輸送活性機構の低下の可能性が考えられた。そこで、蛋白質のリン酸化を定量的に解析するために質量分析装置を用いてリン酸化ペプチドの絶対定量法を開発した。今後は、これらの手法を用いて炎症時のP-糖蛋白質及びP-糖蛋白質と相互作用する蛋白質のリン酸化量とそれらのリン酸化に関わる蛋白質を同定することでトランスポートソームを解明する。 これまでの我々の解析で、マウス脳毛細血管内皮細胞にはケトン体を輸送するmct1が非常に多く発現することが明らかになっていた。mct1はCD147と複合体を形成することが報告されており、マウス条件的不死化脳毛細血管内皮細胞TM-BBBを用いて、抗体を用いた複合体の免疫沈降と4-hydroxybutylate (4HBL)を基質とするup take実験によって輸送活性と複合体形成の関係を解析した。PCMBS処理によってdisulfide結合を乖離させたところ4HBLの輸送活性は低下したが、免疫共沈画分中のmct1とCD147の蛋白質量は処理によって差がなかった。Mct1はCD147と複合体形成したままで、細胞外ドメインの構造変化で輸送活性が顕著に低下することが示唆された。
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Research Products
(31 results)