2005 Fiscal Year Annual Research Report
儒学テキストを通しての近世的思考様式の形成-日中における対照的研究-
Project/Area Number |
17083016
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 春作 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (90172402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市來 津由彦 広島大学, 大学院文学研究科, 教授 (30142897)
田尻 祐一郎 東海大学, 文学部, 教授 (80171700)
前田 勉 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30209382)
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Keywords | 思想史 / 中国哲学 / 東洋史 / 日本史 |
Research Abstract |
本年度は、本研究開始初年度として、(1)日中における「近世的思考様式」に関する資料の収集、(2)構成員全員による検討会開催での問題の鮮明化、(3)中国での現地調査と中国側研究者との意見交換、(4)本特定領域研究全体の中での本研究の意味づけと、その検討結果の公開、(5)研究成果の公刊、を以下のように行った。 (1)日中儒学思想における「近世的思考様式」の資料収集に関しては、国立国会図書館等における未公刊文献の閲覧、収集や、九州大学碩水文庫等での共同資料調査を行った。 (2)合同検討会議を計3回実施し(於福山、名古屋、東京)、本研究の課題を明確化し、具体的研究成果の報告と討議を行った。その過程で、「近世的思考様式」形成を、特に、(I)「訓読」という近世日本の文化理解のあり方、(II)『中庸』テキストの日中における理解の展開、(III)各自の個別的課題の統合、の三側面において共同研究することが確認された。 (3)中国浙江大学に赴き、中国側研究者との共同会議を開催し、報告と討議を行った。また、今後の中国における現地調査のための予備調査を、杭州、寧波において実施した。 (4)領域内他班との共催で、「水戸学」の歴史思想形成に関する公開講演会を開催し(於東京)、また、「文献資料研究部門」主催の国際シンポジウム(於大阪)で、前記共通課題の内の一つ、「訓読」問題に関する問題提起的報告を班員全員で行った。 (5)本年度の研究成果を、『研究報告集1』として公刊した。 以上のような検討・討議をふまえ、来年度は、本年度確認された共通研究課題に即しての合同検討会議、および他班との共催での公開シンポジウム、中国福建等における朱子学派形成の現地調査による歴史検証を実施し、本研究課題の具体的深化を目指す。
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Research Products
(16 results)