2009 Fiscal Year Annual Research Report
儒学テキストを通しての近世的思考様式の形成-日中における対照的研究-
Project/Area Number |
17083016
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 春作 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (90172402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市來 津由彦 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30142897)
田尻 祐一郎 東海大学, 文学部, 教授 (80171700)
前田 勉 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30209382)
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Keywords | 思想史 / 中国哲学 / 東洋史 / 日本史 |
Research Abstract |
本年度は、本研究最終年度として、これまでの研究成果のとりまとめと、研究成果の公開に向けての作業を中心に行うと同時に、未調査の思想史文化史跡の巡検も行った(藤樹書院および致道館)。また、研究発表を軸とする合同研討会議を、計4回実施した。 研究成果とりまとめに関しては、昨年度刊行の『「訓読」論-東アジア漢文世界と日本語-』に引き続き、問題をさらに東アジア世界に拡大・深化させたかたちで、『「訓読」論II-東アジア漢文世界の形成-』と題する論集を企画し、執筆、編集作業を精力的に行った。さらに、「近世的思考様式」の根幹に関わる課題としての「四書解訳論」に関しては、『江戸期四書注訳論-東アジア海域文化交流から考える-』(仮)と題する論集を企画し、何度かの会議を通じて、問題領域の確定と個々の研究成果の検討を実施し、刊行に向けての準備作業を鋭意行った。これらは今後、順次刊行される予定で、この5年間の研究成果の一端が、社会にも還元されるはずである。 また、本科研とも内容的に連動する「東アジア文化交渉学会」設立大会、および沖縄での本科研全体集会に参加し、シンポジウム企画にも参与した。 その他、今年度も本科研メンバーによる、海外での研究報告、および個別研究成果の公刊を行った。 年次別報告集を、今年度も最終版として公刊した(全89頁)。 本科研5年間を通じて、東アジアにおける「近世的思考様式の形成」過程を、ハード(テキスト、社会)、ソフト(続み方、言語)の両側面から、中身の濃い成果を挙げ得たと考える。
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Research Products
(16 results)