2006 Fiscal Year Annual Research Report
海港をとりまく地域社会-「地域」からの日中交流史-
Project/Area Number |
17083018
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡 元司 広島大学, 大学院文学研究科, 助教授 (10290777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 章 関西大学, 文学部, 教授 (70121895)
太田 出 兵庫県立大学, 経済学部, 助教授 (10314337)
曽田 三郎 広島大学, 大学院文学研究科, 教授 (40106779)
藤田 明良 天理大学, 国際文化学部, 教授 (50309514)
岸田 裕之 龍谷大学, 文学部, 教授 (10093585)
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Keywords | 海港地域 / 墓 / 舟山列島 / 倭寇 / 航運 / 文化伝播 / 陶磁器 / 漁村 |
Research Abstract |
2年目にあたる本年度は、海港地域について現地調査・文献調査を本格化させた1年であった。岡 元司・槙林啓介は、寧波市の宋代史氏一族東銭湖墓群の第二次調査をおこなった。今回は、墓分布と墓構造の解明のために、GPSによる各墓・墓道の位置測定と各墓の構造観察をおこなった。その成果は、平成18年9月の国際ワークショップ「墓からみた宋代社会-家族・エリート・地域-」(広島大学)、同年11月のアジア歴史家国際協会(International Association of Historians of Asia)の第19回会議(フィリピン)などで発表された。 藤田明良・山崎 岳は、浙江省舟山列島にて、歴史記録に残る寺廟の現在地確認作業をおこない、また明代嘉靖年間の倭寇に関わる歴史的景観の現状確認調査をおこなった。この成果は、来年度以降、藤田・山崎によって順次報告される予定である。また藤田は九州地方にて精力的に媽祖調査をおこない、その成果は、平成19年2月に長崎にて開催された現地調査研究部門国際シンポジウム「海をむすぶ祈り-東アジア海域交流と信仰-」にて報告された。 松浦 章は、浙江省における史跡・史料調査を踏まえながら、清代の帆船の航運活動の多様性について幅広い視点で論文を多数発表した。またその成果は、平成18年12月に高知大学にておこなわれた四国海交班と海港地域班との国際共同研究会「近世東アジアと黒潮圏交流」にても報告された。 曽田三郎は、綿密な史料調査をもとに、明治の指導者たちが日本的に咀嚼したと認識した近代政治文化が、中国にどのように伝播され、いかなる受容と摩擦を生じさせたのかを考察した。 岸田裕之は『島津家文書』の分析および九州での現地調査から、戦国〜近世初期の東アジアからの輸入陶磁器が日本国内でどのように活用されたかを検討している 太田 出は、江蘇・浙江省における漁村の現地調査(漁民からの聞き取りなども含む)を継続しており、今後の成果発表が期待される。
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Research Products
(15 results)