2008 Fiscal Year Annual Research Report
日記および文集から見た宋元時代の東アジア交流と両浙地域の社会、経済
Project/Area Number |
17083020
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
遠藤 隆俊 Kochi University, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (00261561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大櫛 淳弘 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (40201967)
高橋 弘臣 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (70284388)
矢澤 知行 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (60304664)
高橋 俊 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 准教授 (10380297)
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Keywords | 東アジア史 / 国際情報交換 / 国際研究者交流 / 中国 : 韓国 : 台湾 / 参天台五台山記 / 臨安 / 宋元時代 / 外交史料 |
Research Abstract |
平成20年度は2回の班内研究会と1回の資料調査、国際シンポジウムを1回開催した。研究会では、お互いの研究結果を報告するとともに、各自の進捗状況を確認した。資料調査は2008年8月に京都の東福寺を訪問し、『参天台五台山記』の最古写本(重要文化財)の内容や形態を調査した。研究会と資料調査の結果、代表者の遠藤は日本僧成尋の『参天台五臺山記』を資料として、宋代の文書行政と外国使節の対応について解明した。分担者の高橋弘臣は宋代地方志の一つである『臨安志』を史料として、臨安の都市問題ならびに軍隊の所在や役割について考察した。分担者の大櫛はやはり中国古代における都市構造の問題を城門の位置から明らかにした。矢澤はモンゴル時代の漢文とモンゴル語碑文をてがかりに、その内容を明らかにするとともに、元朝時代の漕運と両浙地域の社会、経済について塩商人を中心に明らかにした。さらに高橋俊は、近代中国の雑誌資料を手がかりに、当時の文化と労働者階級の問題を明らかにした。これらの成果については、国際学会等で発表するとともに、原著論文として研究雑誌等に発表した。一方、国際シンポジウムでは、中国と韓国から研究者4名を招聘し、日本の研究者6名とともに「10-14世紀東アジアの外交交流史料」のテーマで本研究に関わる総合的な研究発表と討論を実施した。その結果『参天台五台山記』については、日本史よりも東洋史、東アジア交流史の面で大きな可能性があることで意見が一致した。また外交交流史料については、まだ十分に読解されていない資料や、読解されていても別な角度からの研究が必要であるものが多いことがわかった。台湾とのセミナーも実施した。次年度は、これらのまとめを行いつつ、シンポジウムについては書物の形で出版することも検討している。
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Research Products
(18 results)