2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本における中国古典文学の伝播とその展開に関する研究
Project/Area Number |
17083024
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
静永 健 Kyushu University, 大学院・人文科学研究院, 准教授 (90274406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 希史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (80235077)
キャンベル ロバート 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50210844)
道坂 昭廣 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 准教授 (20209795)
副島 一郎 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 准教授 (00288565)
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Keywords | 漢籍の伝来 / 王勃 / 正倉院 / 白楽天 / 文章論 / 阿弥陀経石 / 域外漢籍研究 / にんぷろかるた |
Research Abstract |
最終年度の本年は、これまでの研究成果をまとめ、これを一般に公開する活動と、海外の学会や研究会に出向き、在外研究者に我々の成果を発表し、意見交換することを重点的に行った。まず、一般への公開活動については、(1) 静永が主編者となって共著書『から船往来:日本を育てたひと・ふね・まち・こころ』を出版したこと、(2) 静永の単著『漢籍伝来:白楽天の詩歌と日本』を出版したこと、(3) 道坂の単著『正倉院蔵「王勃詩序」校勘表』の出版、(4) また本特定領域研究課題の総括班の協力による小学生向けカルタ『にんぷろかるた』を作成し、8月の奈良国立博物館において、実際に小学生を集めての親子カルタ大会の実施などが挙げられる。一方、国内外への研究成果発信に関しては(5) 4月に復旦大学で開催された中国古代文章学国際学術研討会において副島が「江戸初期中国文章論的接受及其展開」を発表、(6) 7月に寧波市天一閣図書館での研究会に静永が「日本宗像大社所蔵《阿弥陀経石》」を発表、(7) 同じく10月に中国・成都市で開催された宋代文学国際学術研討会で副島が「范仲淹的学問及文教振興的道教因素」を発表した。そして、本研究班の今年度最大の活動は(8) 11月同志社大学で主催した「域外漢籍シンポジウムin京都」である。これは本研究班が総力を挙げて開催した日中共同の研究会である。このシンポジウムは、単に日本における中国古典文学の影響といった既存の課題研究から一歩進み、日中相互の文学史・文化史研究の融合を目指し、本格的な学術交流の形を示すものである。特にこれによる南京大学の域外漢籍研究所や復旦大学の古籍整理研究所との交流の実現は、5年前の本課題研究発足当初には予想もしていなかった成果であり、このことは今後の日本と中国、そして韓国をも含めた東アジアの学術交流において、その具体的なモデルを示すものとなった。
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Research Products
(26 results)