2009 Fiscal Year Annual Research Report
寧波地域における日明交流の総合的研究―遣明使の入明記の総合的分析を通して―
Project/Area Number |
17083031
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 幸司 Yamaguchi Prefectural University, 国際文化学部, 准教授 (30364128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 雄 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (50416559)
須田 牧子 東京大学, 史料編纂所, 助教 (60431798)
岡本 弘道 関西大学, 文化交渉学教育拠点, PD (70469237)
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Keywords | 策彦周良 / 『初渡集』 / 入明記 / 浙東運河 / 天目山 / 天台山 / 寧波 / 東アジア海域 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までの輪読作業で読破した策彦周良『初渡集』中巻(寧波部分)の校訂作業の最終チェックをおこなった。テキストデータベース用の校訂文と正字主義を基本とする校訂文の2種類をデータとして作成する旨を決定し、あわせて詳細な凡例を定めた。 この入明記の輪読作業と連動して、8月に江南地域の古運河・仏教聖地の現地踏査をおこなった。本年度は、浙東運河~杭州~湖州の古運河、天台山・天目山の仏教聖地に焦点を定め、入明記を中心としつつ歴史的景観の確認をおこなった。この現地踏査に際しては、詳細な踏査日記を残している。この踏査により、寧波~揚州までの古運河をすべて踏査することに成功した。 にんぷろ重点領域に定められている東アジア海域の理論化の作業も進めた。日明班のメンバーは、おもに16世紀の東アジア海域の叙述「せめぎあう海」を担当している。すでに、昨年度までで仮原稿ができており、今年度はその仮原稿をさらにブラッシュアップするために討論を進め、新たな情報を盛り込む作業とともに、読みやすさ・分かりやすさを考慮した文章の作成をおこない、最終確認作業を遂行した。 本年度は、事業の最終年度ということもあり、これまでの5年間の成果を公表する手段として、2010年度中の研究書『寧波と博多(仮称)』(吸古書院から刊行予定)の公刊について寧博班のメンバーと協議を重ね、そのスケジュール確認をおこなった。
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