2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17100007
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高尾 尊身 Kagoshima University, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (80171411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
松山 隆美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30145479)
吉田 光敏 鹿児島大学, 農学部, 教授 (00174954)
藤吉 利信 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 准教授 (50173480)
佐藤 正宏 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (30287099)
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Keywords | 異種移植 / クラウン系ミニブタ / クローンミニブタ / α-1,3-ガラクトース転移酵素 / 内在性レトロウイルス(PERV) / gene targeting / 樹状細胞 / HMGB-1 |
Research Abstract |
1)体細胞クローン胚由来の胚盤胞および胎仔にブタα-1,3-galactosyltransferase(αGalT)遺伝子のKOベクターの導入が確認でき、この体細胞クローン胎仔から増殖能の良好な遺伝子改変リクローン初代培養細胞系(ヘテロKO細胞)を樹立した。 2)ヘテロKO細胞中にはLOHによりホモ(double)KO細胞が若干含まれ、α-Gal epitopeを認識するBS-I-B4 lectin陰性として識別出来る。α-Gal epitopeを発現する細胞株をsaporin毒素標識のBS-I-B4 lectinで処理すると生存した98%の細胞はBS-I-B4 lectin陰性となり、ホモKO細胞を濃縮するのに有効であることが判明した。 3)クラウン系ミニブタPBMCとHEK293細胞の混合培養試験で、HEK293細胞でPERV ProvirusDNAがPERV-Pol領域プライマーを用いたgenomic DNA-PCRで確認されたが、RT-PCR検索ではPERV-Pol RNAは検出されなかった。 4)ヒトT細胞・ブタ血管内皮細胞共培養下におけるHMGB1の放出をミサトールが抑制した。ミサトールは、anti-oxidant responsive element(ARE)配列を認識する転写因子、Nrf2を活性化し、抗酸化作用を有するヘムオキシゲナーゼー1(HO-1)の発現を惹起させる。すなわち、ヒトT細胞・ブタ血管皮細胞共培養下におけるHMGB1の放出は、抗酸化作用により抑制されることが示唆された。 5)ブタ細胞を貪食した樹状細胞とCD4^+T細胞を共培養しCD4^+T細胞の増殖を観察する実験系において、HLA-DR阻害抗体やCTLA4-Igキメラタンパク質によるCD4^+T細胞の増殖抑制が認められた。樹状細胞のHLA-DRやCD80,CD86共刺激分子を介してCD4^+T細胞の増殖抑制が示唆された。
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