2005 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル公共財としての地球秩序に関するシミュレーション分析
Project/Area Number |
17103002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 和男 京都大学, 経済学研究科, 教授 (40182753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井堀 利宏 東京大学, 経済学研究科, 教授 (40145652)
竹内 俊隆 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (60206951)
瀬島 誠 大阪国際大学, 法政経学部, 助教授 (60258093)
江頭 進 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (80292077)
秋山 英三 筑波大学, システム情報工学研究科, 助教授 (40317300)
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Keywords | グローバル公共財 / 国際秩序 / シミュレーション分析 / 国際情報交換 / ソフトウェア工学 / ゲーム理論 / 複雑系 / エージェント・ベースド・モデル |
Research Abstract |
本研究は,グローバル公共財としての国際秩序を研究するため,1 シミュレーション・モデルの構築,2 シミュレーション環境の整備,3 そのモデルをシミュレーション環境において実施する,という3つの柱より構成されている.5年計画の初年度の計画は,1においてシミュレーションの基本モデルの構築と理論研究を推進し,2においては(1)のモデル作りを参考にしつつシミュレーション環境開発のための基盤作りを行うことであった. 1 シミュレーション・モデルの構築においては,国際統合と戦争発生,即ち国際秩序の生成と崩壊という2つの両極端の事象のモデル作りが行われた.国際統合についての小樽モデルでは,各国の政府,国民,企業が市場を介して国民経済を形成し,更に相互に国際的な商品取引とそれに対する政府の関税が存在する状況,そして国際機関に参加することによって参加国間での関税が0になる状況がモデル化された.戦争発生については,地震発生のモデルを参考にしたWarQuakeモデルが作成された.このモデルは基本エージェントの国家間に友好・敵対のベクトルと戦争勃発を抑制する仕組みを代表させた負のフィードバックのベクトルを組み込んだ.この両極端のモデルの中間にある様々な国際秩序現象とグローバル公共財に関して理論的・実証的な研究が積み重ねられた. 2 シミュレーション環境の構築については,次年度における本格的なシミュレーション環境構築のための準備作業が行われた.社会科学分野における既存のシミュレーション環境についての比較検討が行われ,本研究の目的に特化した環境を整備する必要が再確認された.(1)のモデル作成作業を通じて,シミュレーション・モデルの雛形整理,様々な関数,道具などの提供,ユーザーインタフェースのデザイン化などが検討された. 以上の作業を通じて,来年度のシミュレーション環境構築作業に向けた準備が整った.
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Research Products
(25 results)