2007 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電性長距離秩序形成と競合するコヒーレント量子ゆらぎダイナミクスの研究
Project/Area Number |
17104004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
八木 駿郎 Hokkaido University, 名誉教授 (30002132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武貞 正樹 北海道大学, 大学院・理学研究院, 講師 (30311434)
伊藤 満 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (30151541)
徳永 正晴 北海道大学, 名誉教授 (60001682)
小野寺 彰 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40142682)
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Keywords | 量子常誘電体 / 量子強誘電体 / 量子ゆらぎ / ソフトモード / 広帯域分光法 / ミリケルビン領域 / フォノン / 完全ソフト化 |
Research Abstract |
(1)システムの安定性のチェックとスペクトルの測定;完成した広帯域-高分解能分光スペクトル観測装置と極低温光学クライオスタットを組み合わせたシステムの安定性を、180°光散乱配置にてスペクトルの検出と量子常誘電体チタン酸ストロンチウムの[110]板結晶試料温度の測定により行った。実験システムの安定性は、広帯域-高分解能分光スペクトル観測装置については、ほぼ120時間以上スペクトルをロックでき、極低温光学クライオスタットについては、10mWのエネルギーのレーザー光を試料に照射する条件で行い、290mKをほぼ100時間以上保持できることが分かった。これらは微弱光スペクトル検出のために満足のいく長時間安定性である。 (2)微弱な散乱光強度を検出するために、集光系の光学Fナンバーの改良など、散乱光の集光ロスを軽減するように光学系が改良された。 (3)分散関係測定用極低温光学クライオスタットの作成:スペクトル波形から、そのスペクトルを生じる物理的原因の究明のためには、解析された振動数と波数ベクトルの関係(分散関係)を求める必要がある。これは、本計画の初期から量子ゆらぎスペクトルの同定のために必要とされていたことである。散乱角を0°,25°,65°,90°,115°,155°,180°に設定可能な極低温光学クライオスタットを設計・製作した。これにより、532nmの波長の入射光を用いてそれぞれの角度に対応する散乱ベクトル(7種)についてスペクトルを観測でき、未知の量子ゆらぎスペクトルの解析に有力な分散関係の情報を提供できることになった。
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Research Products
(4 results)