2008 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電性長距離秩序形成と競合するコヒーレント量子ゆらぎダイナミクスの研究
Project/Area Number |
17104004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
八木 駿郎 Hokkaido University, 名誉教授 (30002132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武貞 正樹 北海道大学, 大学院・理学研究院, 講師 (30311434)
伊藤 満 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (30151541)
小野寺 彰 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40142682)
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Keywords | 量子常誘電体 / 量子強誘電体 / 量子ゆらぎ / ソフトモード / 広帯域分光法 / ミリケルビン領域 / フォノン / 完全ソフト化 |
Research Abstract |
(1) 実験システムの完成 ; 広帯域-高分解能分光スペクトル観測装置と極低温光学クライオスタットからなる実験システムを用いて、量子ゆらぎにより強誘電性長距離秩序の形成が抑制されて低温領域まで常誘電性を保つ量子常誘電体SrTiO_3と低温まで相転移が存在しない安定な結晶LGOにおいて、時間・振動数領域におけるスペクトル観測実験を行い、両者のスペクトルの温度依存性の比較を行った。現在スペクトル強度が微弱であることに原因するS/N比の向上をつづけ実験誤差の低減を図っている。(八木、武貞、小野寺) (2) 理論面の進展 ; 自己無撞着近似法によるソフトフォノン振動数の酸素質量依存性が理論的に求められ、量子常誘電体SrTiO_3とその酸素同位元素置換量子強誘電体SrTi^<18>O_3(STO18)に適用された。その結果、同位元素置換効果の発見となった、STO18の強誘電性相転移温度の酸素同位元素置換濃度依存性に対して、始めて理論的説明がなされた。(連携研究者 : 徳永)
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Research Products
(4 results)