2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17106005
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
川西 英雄 工学院大学, 工学部, 教授 (70016658)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 徹 工学院大学, 工学部, 助教授 (20251671)
坂本 哲夫 工学院大学, 工学部, 助教授 (20313067)
長谷川 文夫 工学院大学, 工学部, 教授 (70143170)
|
Keywords | 深紫外 / 半導体レーザ / 量子井戸 / 窒化物半導体 / 超格子 / 光学異方性 / 発振モード |
Research Abstract |
本研究の目的を要約すると、「光励起型AlGaN多重量子井戸構造半導体レーザ」が、最短波長2415nm(室温)でレーザ発振したかを科学的に解明すること、及び、その知見を出発点とし、電流注入型深紫外半導体レーザの実現を目指して、その基礎を固めることである。 平成17年度に達成した研究実績を、下記に示す。 (1)AlGaN多重量子井戸構造深紫外半導体レーザの発振波長を、128.9nmとし、世界最短波長記録を更新した。 (2)本研究が提唱してきた(AlN/GaN)多重バッファ層構造による歪み制御により、AlNの「らせん転位」の減少はもとより、一般的に困難とされていた「刃状転位」の減少が可能であることを確認した。これらの事実は、「極微細領域x線評価装置」による解析とともに、平成17年度に新規に導入した「透過型電子顕微鏡」により、貫通転位(その殆どは「刃状転位」成分)が急激に減少出来ることを、直接観測した。 (3)Al高組成(Al組成が60%以上の領域)AlGaNの高品質化が、本研究が提案した、新規なエピタキシャル成長技術「Altemate Source-Feeding Epitaxy (ASFE:交互供給法)」によりエピタキシャル成長層の高品質化を達成した。この成長法は、この分野の研究の標準技術となり、その後、多くの他研究機関がこれを利用するようになった。尚、ここでの成果が、(1)の研究成果につながっている。 (4)研究実施計画には含まれていない、新しい発見があった。すなわち、270〜280nm以下の発光波長を有する高Al組成AlGaNは「C軸方向には殆ど発光が観測されない」、すなわち、光学的異方特性があることを、実験的に発見した。その結果、240〜250nm以下のレーザ発振は、TMモードでのみレーザ発振することを、世界で初めて、実験的に確認した。尚、この事が、「世界中の多くの研究機関で、240nm以下の波長域でレーザ発振の報告例が何故無いのか?」の疑問に対し、極めて、明快な回答を与える。簡単に言えば、高名な多くの研究機関は、表面的な事象だけを重要と思い、研究の基本を試みなかっただけと言える。
|
Research Products
(5 results)