2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17106005
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
川西 英雄 Kogakuin University, 工学部, 教授 (70016658)
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Keywords | 深紫外半導体レーザ / 量子井戸 / 窒化物半導体' / ワイドギヤツプ / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
本研究の目的を要約すると、「光励起型AlGaN多重量子井戸構造半導体レーザ」が、最短波長241.5nm(室温)でレーザ発振したかを科学的に解明すること、及び、その知見を出発点とし、電流注入型深紫外半導体レーザの実現を目指して、その基礎を固めることである。 平成19年度までは、電流注入型AlGaN半導体レーザの実現に向けた研究を開始するための環境を整備した。すなはち、電流注入型とするためには、AlGaNへのp型ドーピングの明らかにしなければならない。一方では、AlGaNの発光強度を改善できる手法として、「交互供給法」を我々は提案してきたが、本方法によって結晶の「何が」改善されているのかを解明しなければならなかった。 平成20年度には、光励起による室温におけるレーザ発振波長(単なる誘導放出の確認ではなく、半導体レーザの基本構造であるダブルヘテロ構造を用いた光導波路構造を有していることから、光の増幅作用を確認したものをここではレーザ動作と定義している)を、229.8nmまで短波長化することが出来た。 また、レーザ発振の温度特性等、基本的なレーザ発振特性を調べた。その結果、ワイドバンドギャップ半導体の基本的な特性として期待される、温度特性の安定性、すなわち、発振波長の温度安定性の点で優れていることを実験的に示した(バンドギャップの温度係数は、InP系、GaAs系半導体のそれとほぼ同等である)。 一方、活性層に用いるAlGaNの結品品質は、特に、刃状転位密度の低下が、これまでの大きな研究課題であったが、平成20年度の研究成果として、この転位密度を大幅に減少させる事が出来た。(10-12)面に対する非対称散乱のX線ロッキング曲線の半値幅の代表的な値として約60[arcsec]を、また、最も狭いものとして35[arosec]の値を達成した。 この半値幅から、刃状転位密度を算出すると、10^7〜10^8[cm-2]の値となる(この値の算出の正当性は、平成17年度からの本研究によっても、結晶試料のTEM断面の直接観測によって確認されたものである)。
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Research Products
(6 results)