2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17106007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 和夫 The University of Tokyo, 環境安全研究センター, 教授 (60143393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福士 謙介 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 准教授 (30282114)
大久保 孝樹 函館工業高等専門学校, 教授 (20168892)
中島 典之 東京大学, 環境安全研究センター, 准教授 (30292890)
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Keywords | MBR / 水再生技術 / 浸漬膜モジュール / ナノろ過 / 汚泥管理 / 不織布 / 傾斜管 / 白色腐朽菌 |
Research Abstract |
本年度は、最終年度として東京都下水道局砂町水再生センター実験フィールド内の実下水を用いた長期パイロット試験を特に研究項目(2)について重点的に実施した。下水の採取場所が沈砂池後で最初沈殿池流人前である特徴を生かし、最初沈殿池に傾斜管を挿入する既存処理場の改善に資するプロトタイプの最終提案を実証することに重点を置いた。実験スペースの狭さ故の場所的な制約が厳しく、嫌気MBRによる汚泥からのエネルギー回収までのシステム実証は断念した。しかし、汚泥からのエネルギー回収は大規模処理場への適用としては実績が豊富であるので、むしろ最初沈殿池と余剰汚泥を一体化させた高濃度汚泥回収システムとして、回収固形物濃度20g/L以上が達成できることを実証した成果の方が、今後の実際への展開にとって重要な意義を有する。システム内の微生物解析も実施した。膜モジュールの近傍の流体解析については、前年度報告した高周波の渦に関しては、その後の再現実験や精査により、ポンプの振動を拾っている可能性が高いことが判明し、しかし低周波(1サイクル/秒)の渦は確実に存在し、この膜近傍の構造物による低エネルギー流れの中での後流渦をどうファウリングコントロールに生かしていくか今後の研究の展開の方向を明確にでき、大きく前進した。研究項目(2)については、場所的な制約条件が予想以上に厳しく長期実証試験は断念し、研究資源を研究項目(1)に集中させた。研究成果の継続的情報発信については、展開プロジェクトといえる「熱帯地域に適した水再生利用の研究開発(JST-JICA)」における種々のワークショップで行ったとともに、国際会議招待講演や書籍の中で、成果の情報発信を行った。
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Research Products
(8 results)