2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17109002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲垣 冬彦 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 教授 (70011757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 展生 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 講師 (40396297)
小椋 賢治 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (50270682)
堀内 正隆 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (90322825)
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Keywords | 好中球活性酸素発生系 / インターフェロン / IRF-3 / 活性制御 / RLR / βGRP / TIRドメイン / TLR |
Research Abstract |
基盤Sで当初計画した研究のうち、これまで遅れていた部分について大きな進展があった。まず、TRIF/TICAM1,およびTRAM/TICAM2のTIRドメインの構造をNMR法により決定した。TIRドメインはホモおよびヘテロのTIR同士で会合体を形成し、インターフェロンを産生シグナルを活性化することが知られている。表面残基に変異をいれ、Y2H法により相互作用を検討した。従来報告されていた自己会合に関与する残基およびTRIFとTRAMの会合に関わる面を同定した。MALのTIRドメインについても構造を解析し、Myd88との複合体形成について議論した。以上の解析によりTLRの下流、特にTIRドメインを介するシグナル伝達について構造的基盤を作った。IRF-3の活性化機構については、IKKを共発現することによりリン酸化体を調製した。リン酸化体のうちSer386がリン酸化されたもののみが二量体を形成すること、CPP/p300とも結合することを質量分析により確認した。今回の結果は我々が提唱してきたSer386のリン酸化による活性化モデルを支持している。細胞内のウィルスRNAを感知し、インターフェロンを産生するRLRファミリーについて、C末端領域がウィルスRNAを認識していることを見出し、構造をNMR法により決定した。それぞれRNA結合領域の構造は異なり、RLR C末端領域がウィルスRNA認識の特異性を決定していることを明らかにした。カイコの真菌に対する自然免疫をつかさどるタンパク質βGRPの構造を決定した。βGRPはIgG様ドメインを持ち、このドメインが真菌のβ1-3グルカンが形成する三重鎖ヘリックス構造を特異的に結合することを明らかにした。以上平成21年度において、これまで試料調製に手間取り遅れていた計画を達成することができた。
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Research Products
(4 results)