2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写を阻害するDNA損傷の細胞応答機能とその異常疾患の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
17109006
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 亀代次 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (80144450)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西條 将文 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教授 (90221986)
堀端 克良 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助手 (40402995)
|
Keywords | コケイン症候群 / 色素性乾皮症 / ユビキチン・リガーゼ / XPG / TFIIH / CAK / ホルモンレセプター / TFIIS |
Research Abstract |
(1)コケイン症候群A群(CSA)タンパク質は、DDB1、Cullin4A、 Roc1、COP9 Signalosomeからなるタンパク質複合体を形成し、ユビキチン・リガーゼ(E3)活性を持つ。CSA複合体E3は、紫外線照射細胞でCSB蛋白質をユビキチン化し、プロテアソームで分解することを見つけた。さらに、RNAポリメラーゼIIo最大サブユニットと結合し、in vitroのユビキチン系でRNAポリメラーゼIIo最大サブユニットもユビキチン化することを見いだした。これらの意義については現在解析中である。 (2)ヌクレオチド除去修復において損傷部位の3‘側で一本鎖DNA切断を行うXPGタンパク質が、TFIIHと安定な複合体を形成すること見つけた。しかも、色素性乾皮症とコケイン症候群を合併する(XP-G/CS)患者細胞では、XPGがTFIIHと安定な複合体を形成できないこと、TFIIHのサブユニットであるXPDやCAKがコアTFIIHから解離すること、その結果として、リガンドが作用してもCAKがホルモンレセプターをリン酸化できず、ホルモンレセプターの転写活性化が誘発されないことを見いだし、CS病態との関連を示唆した。 (3)酸化的DNA損傷である8-oxo-Guanineを一ヶ所に持つoligo-dC tailed templateとRNA polymerase IIをもちいて、in vitro転写を行ったところ、8-oxo-Guanine損傷部位で転写が停止した。しかし、このとき転写伸長因子TFIISを加えておくとRNA polymerase IIが損傷部位をバイパスできることを明らかにした。RNA polymerase IIが損傷部位で転写を停止し、細胞死が誘導されることを、TFIISが回避していることを示唆した。
|
Research Products
(6 results)