2007 Fiscal Year Annual Research Report
多言語社会における文学の歴史的展開と現在:インド文学を事例として
Project/Area Number |
17202009
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
水野 善文 Tokyo University of Foreign Studies, 外国語学部, 教授 (80200020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 真二 拓殖大学, 商学部, 教授 (80109751)
臼田 雅之 東海大学, 文学部, 教授 (60151867)
徳永 宗雄 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70143998)
石田 英明 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (80255976)
高橋 孝信 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10236292)
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Keywords | 南アジア文学史 / 文学と歴史 / 文学理論 / 文学的環境 / 文学の享受者 / 歴史資料 / 口頭伝承 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
以下のようにシンポジウム、研究会ならびに学会における小パネルを開催した。(国内旅費・会議費) 1.国際シンポジウム「現代インド文学-潮流と課題-」(2007年5月26日、東京外国語大学) 日印文化交流50周年を記念して来日したインド文学協会に所属する諸言語にわたる作家・文人・文学研究者ら9名をお招きし、各文学の現状を報告してもらい、本研究の分担者・協力者がそれぞれ専門分野の報告に対してコメントした。現代文学の最新の潮流を知ることが出来た。 2.第6回研究会(2007年6月30日、拓殖大学、参加者25名) 前年の第5回研究会での討論を踏まえて、坂田貞二「文学の場に関して」、高橋孝信「各言語による文学に特徴的なジャンル分け」、杉本浄「変革期の文学」、山根聡「文学研究史について」、横地優子「比喩などの表現法」、水野善文「ラサ論など」の各報告とそれらをめぐって討論した。 3.日本南アジア学会第20回全国大会(2007年10月6日、大阪市立大学)小パネル「19世紀の南アジア文学にみる作者の内面の揺れ」:坂田貞二(ヒンディー文学)、松村耕光(ウルドゥー文学)、臼田雅之(ベンガル文学)、石田英明(マラーティー文学)の各報告のあと、粟屋利江、水野善文が補足コメントをした。 上記の活動の傍ら、研究資料である文献の更なる購入をはかり東京外国語大学図書館に収めた。(設備備品費) こうした過程を経て、多様な言語からなるインド文学の、それぞれの研究者が問題意識を共有し、体系的なインド文学史の記述をめざして更に共同研究を進めるべきとの総意を得た。具体的には、とりわけ異言語間の伝承の際に問題となる文芸の口頭伝承という側面、表現方法などの文学理論の側面、記述された内容ではなく作品そのもの存在とその歴史性といった問題を鮮明に浮き彫りに出来たので、今後はそれらの視点から更に研究を深めていくことになる。
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Research Products
(4 results)