2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNAコンピユーターを応用したヒト遺伝子発現解析手法に関する研究
Project/Area Number |
17300095
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
大屋敷 純子 東京医科大学, 医学部, 講師 (20191950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高久 智生 東京医科大学, 医学部, 助手 (20408256)
本多 聖子 東京医科大学, 医学部, 臨床研究医 (30408257)
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Keywords | 遺伝子発現解析 / DNAコンピューター / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究の目的はDNAコンピューティングに基づく遺伝子発現解析手法の生物学的有用性を一歩前進させヒト試料を用いてDNAコンピューティングによる演算の実証し、医学応用に結びつけることである。このため、初年度は計画に基づいてモデル実験系を用いたヒト遺伝子発現解析研究を中心に行い、以下の成果が得られた。 1.モデル実験系を用いたヒト遺伝子発現解析:ヒトT細胞を用いてウイルス感染実験を行い、宿主遺伝子発現の変化をDNAマイクロアレイで解析した。マイクロアレイ解析によって得られたデータを公的データバンク(NCBI Gene Expression Omnibus : GEO)に登録し、さらに遺伝子制御ネットワーク解析を行った。この結果、モデル実験系において宿主細胞の遺伝子発現調節の鍵を握る遺伝子を抽出し、DNAコンピューターによる演算の候補遺伝子とした。なお演算の候補遺伝子についてリアルタイムRT-PCRで発現レベルを確認した。(Takaku T and Ohyashiki JH.et al.,Biochem Biophys Res Commun.2005 336:469-477) 2.DNAコンピューターによる解析:上記候補遺伝子20個の塩基配列より遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを作成し、エンコードからデコードまでの一連の作業を行った。ヒト試料においても合成オリゴヌクレオチド同様に解析が可能であるが、ライゲーションの効率などエンコード操作が結果を左右する因子であることが判明した。一方、遺伝子発現レベルが一定以上高いものではDNAコンピューターによる解析結果とリアルタイムPCRの結果は相関していたが、遺伝子発現レベルの低い遺伝子は比較検討が困難で、この点の技術的改良が必要と考えられた。現在は候補遺伝子を68個に増やし、解析を進めている。
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