2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ気泡と超音波を利用した高効率型分子導入法の開発とがん遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
17300168
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小玉 哲也 Tohoku University, 先進医工学研究機構, 准教授 (40271986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 栄夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20302218)
藤川 重雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70111937)
冨田 幸雄 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00006199)
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Keywords | ナノバブル / 遺伝子治療 / がん / 超音波 / 分子導入 |
Research Abstract |
本年度では、抗ガン剤であるシスプラチン(CDDP)とナノ・マイクロバブルの混合液を固形腫瘍に注射して、超音波照射をおこなうことで抗腫瘍効果が観察された。分子導入の機序にはバブル崩壊で発生する衝撃波が関与すると仮定して、水分子で挟まれた脂質二重膜に衝撃波を作用させ、脂質二重膜の構造変形を調べた。その結果、脂質内の水分子の導入量によって水孔が二重膜に形成されることが示された。上述の実験で得られたCDDPによる抗腫瘍効果は、バブルの崩壊で発生する衝撃波の作用で細胞膜に水孔が形成され、この水孔を通してCDDPが細胞内に導入され抗腫瘍効果が誘導されたとものと示唆された。また、脂質二重膜からで構成されたナノバブルに、ガスと液体を封入し、脂質二重膜には抗体を組み入れることが可能な音響性リポゾームを開発することに成功した。これにより、分子デリバリーとして標的性と薬剤送達性の優れたナノバブルの作成が可能になった。また、固形腫瘍内の新生血管を流れるバブルを移動軌跡から腫瘍新生血管を抽出可能なプログラムを開発し、これにより微小血管の構造変化を調べることで、将来の早期がん診断法の開発の可能性が見いだされた。
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Research Products
(15 results)