2005 Fiscal Year Annual Research Report
データの不完全性がもたらす多様性と様相概念に基づくシステム計画技法の創成
Project/Area Number |
17310098
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
乾口 雅弘 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60193570)
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Keywords | ファジィ数理計画法 / 必然性測度 / 様相性 / 包絡線解析(DEA) / シンプレックス法 / 可変精度ラフ集合 / 属性縮約 / ファジィラフ集合 |
Research Abstract |
本年度は,次の研究を行った. 1.ファジィ数理計画法への様相概念の導入:帰着問題の簡便性を大きく損なうことなく,係数間の相互関係が扱えるモデルとして斜交ファジィベクトルを考え,斜交ファジィベクトルをもつ線形計画問題の必然性測度大最化モデルを考察した.この問題が双対角形構造をもつ線形計画問題に帰着されることを示すとともに,Benderの分解原理に基づく一解法を提案した. 2.可能性理論に基づく区間DEA:区間入出力データが与えられた場合の包絡線解析(DEA)について考察した.可能性と必然性の概念を購入することにより,25種類の効率性が定められることを示し,それらの相互関係を調べた.これらの効率性判定問題がシンプレックス法を駆使して解けることを示し,各効率値も定義した.これにより,区間データの中心を用いた通常の解析より,きめ細かな解析が可能となることを明らかにした. 3.可変精度ラフ集合に基づく決定表の縮約に関する研究:可変精度ラフ集合に基づく決定表の縮約が十分に研究されていないので,下近似や上近似,境界などを保存・強化する縮約について考察した.有意義なものに限っても種々の縮約の定義が可能となることを示すとともに,それらの相互関係を明らかにした.また,従来と同様に識別行列により計算可能なものを特定し,その計算法を示した. 4.支配関係に基づく可変精度ラフ集合:序数属性を含む決定表の解析に有効な支配関係に基づくラフ集合を,決定表が大きくなり誤差を含みうる場合にも適用できるように拡張した.従来の可変整合度モデルがルール抽出に適さないことを示し,この点に改良した可変精度モデルを提案し,その性質を明らかにした. 5.ファジィラフ集合と漸次的ルール:決定表からファジィラフ集合に基づき漸次的ルールを抽出する方法を提案し,モダスポネンスとモダストレンスとの関係など,種々の性質を議論した.
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