2005 Fiscal Year Annual Research Report
日中戦争と中国人日本留学生の文学・芸術活動に関する総合的研究
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17320055
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小谷 一郎 埼玉大学, 教養学部, 教授 (60136009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 英樹 立命館大学, 文学部, 教授 (00030172)
中島 利郎 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授
下村 作次郎 天理大学, 国際文化学部, 教授 (20148670)
野間 信幸 東洋大学, 文学部, 教授 (80246769)
水羽 信男 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50229712)
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Keywords | 日中戦争期 / 東京左連 / 大陸からの留学生 / 台湾からの留学生 / 東京左連再建後の文学・芸術運動 / 芸術聚餐会 / 活動全体の「磁場」 |
Research Abstract |
1)関係資料の発掘、収集、整理とデータベース化 本研究にとって基礎資料の発掘、収集、整理は最も重要な作業であり、初年度である今年度は当初の研究実施計画に基づき、積極的に関係各資料の発掘、収集に努めた。その結果、これまで日本国内にはなかった<掃討報>などの中国人日本留学生が関与した雑誌をマイクロフィルムのかたちで中国から購入した。また、国民党駐日総支部組織部長であった夏衍の全集など購入した。収集した資料のすべては埼玉大学に集中し、その整理、及びデータベース化を図っている。これらの資料については整理がつきしだい、「1920-40年代中文稀覯雑誌目録」などのかたちで公刊を図りたいと考えている。 2)研究者間のネットワーク化 今年度は全員に呼掛けた公開の研究会を2回開催した。また、研究代表者である小谷は、東京左連再建後の中国人日本留学生の文学・芸術運動について中国文芸研究会の会報に連載、東京左連再建後の活動において留学生が主催した「芸術聚餐会」が、その後の活動全体の「磁場」的な役割を果たしていたことなど、多くの事実を明らかにした。さらに小谷は、それらの成果を、東北師範大学、北京大学(ペーパーのみ)、汕頭大学で開かれた国際シンポジュウムで報告し、大きな反響を呼んだ。発表した論文等々は他の論文を含め、北京の<中国現代文学研究叢刊>、上海魯迅記念館、汕頭大学の刊行物等に掲載される予定である。この意味で、各研究者間のネットワークは、まだまだ初歩的ではあるが、国内外を含め確実な広がりを形成してると言えるだろう。研究代表者としては今後もこうした研究者間のネットワークを軸に今後の研究発展を図っていきたいと考えている。
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Research Products
(25 results)