2006 Fiscal Year Annual Research Report
中央アジア諸国における立憲主義の「移植」とその現実態に関する研究
Project/Area Number |
17330001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉浦 一孝 名古屋大学, 大学院法学研究科, 教授 (40154463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 泰一郎 静岡大学, 大学院法務研究科, 教授 (00097221)
小森田 秋夫 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30103906)
大河内 美紀 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (20345838)
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Keywords | 基礎法学 / 中央アジア / 憲法裁判所 / 立憲主義 / 人権 / 法文化 / 憲法院 |
Research Abstract |
2006年12月25日から本年1月1日までカザフスタンでヒアリングを含む現地調査を行った。まず、首都アスタナにあるカザフスタン憲法院をはじめとして最高裁判所、最高裁判所付置司法行政委員会、司法省、上院等を訪問して、カザフスタンにおける憲法適合性審査にかかわる諸問題についてヒアリングを行い、憲法院の現状と今後の課題について貴重な情報を入手した。次に、名古屋大学大学院法学研究科と学術交流協定を締結しているカザフ人文法科アカデミーを訪れ、そこでカザフスタン憲法院について同大学の憲法学の教授等と意見交換を行った。この意見交換をとおして法律実務家からは入手しえない情報を得るとともに、教授等からは貴重な資料をいただいた。 2007年1月に、現地調査の結果の検討、カザフスタン憲法院、ウズベキスタン憲法裁判所およびキルギス共和国憲法裁判所の判決・決定の検討等のために、名古屋大学で研究会を開催した。この研究会では、憲法適合性機関の判決・決定の分析をとおしてのこれら中央アジア三力国への立憲主義の「移植」の現実態をより明確にするために、ロシア連邦における立憲主義の定着度を示すロシア連邦憲法裁判所の判決・決定の検討も、とくに権力分立の原則(連邦制、地方自治を含む)、経済活動の自由(所有権を含む)、人格的および政治的自由権(参政権を含む)ならびに社会権の各分野ごとに行った。各報告は、全体としては、まだ中間報告的なものであったが、とくに権威主義的な政治体制(ウズベキスタン、カザフスタン)あるいは不安定な政治体制(キルギス共和国)が問題とされたように、中央アジア三力国における立憲主義の「移植」と定着の困難さを暗示するものであった。
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Research Products
(4 results)