2005 Fiscal Year Annual Research Report
刑務所の民営化がもたらす刑罰機能の変容と人的民間資源の活用に関する総合的研究
Project/Area Number |
17330016
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
赤池 一将 龍谷大学, 法学部, 教授 (30212393)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 直也 山梨学院大学, 大学院・法務研究科, 教授 (20298392)
徳永 光 甲南大学, 法学部, 助教授 (20388755)
本庄 武 一橋大学, 大学院・法学研究科, 講師 (60345444)
|
Keywords | 民営刑務所 / 民営化 / PFI / 市場化モデル / 刑務所 / 監獄法 / 過剰収容 / 行刑改革 |
Research Abstract |
本年度の研究の中心は、刑事施設民営化実施国について海外調査を行い、その実像を捉えると同時に、民営化の実施状況を契約の実体から検討すること、また、国内で進行中の刑事施設を対象とするPFI事業および市場化モデル事業の実態を把握し、日本での刑事施設の民営化の特徴を検討することにあった。 前者については、山口が7月にアメリカ合衆国において、12月にオーストラリアにおいて、また、徳永、本庄が1月に調査協力者2名(大阪市立大学助教授・三島聡、学術振興会研究員・笹倉香奈)とともにイギリスにおいて、それぞれ民営刑事施設の調査を実施し、その実態を把握すると同時に基礎的資料の収集を行った。また、8月にはアメリカ合衆国ミネソタ州の研究者を招いて「ミネソタ州における過剰収容対策」に関する研究会を実施した。この間、7月に本庄が「2005年の民営化」、8月には山口が「アメリカ合衆国における民営刑務所」と題した報告を行った。 後者については、11月には、赤池、徳永、本庄が調査協力者3名(前出の三島、笹倉のほか、山梨学院大学法科大学院教授・福田雅章)とともに市場化テストモデルとなった宮城刑務所を参観・調査した。また、11月、12月には、それぞれ「市場化テストについて」、「市場化テストモデル事業について」と題して研究会を開催した。 これらの研究の成果としては、龍谷大学矯正・保護研究センター研究年報において、「刑事施設の民営化をめぐって」と題した特集を企画し、諸外国および国内の実情について整理・検討を行い、また、本共同研究の分析視角を明らかにした。また、山梨学院大学ロージャーナル誌上において、民営化問題の基礎的文献の翻訳・紹介の連載を開始した。このほか、国内の行刑改革・新立法との関係において、当該問題の位置づけと課題に関する検討を行った。
|
Research Products
(8 results)