2005 Fiscal Year Annual Research Report
日・独・英における歴史学派の役割とその現代的意義に関する研究
Project/Area Number |
17330043
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡部 洋實 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10204017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 信一 北星学園大学, 経済学部, 教授 (40120886)
佐々木 憲介 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50178646)
江頭 進 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (80292077)
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Keywords | 歴史学派 / 進化経済学 / ドイツ歴史学派 / イギリス歴史学派 / 日本の経済学 / オーストリア学派 / 理論と歴史 / 進化論 |
Research Abstract |
交付決定後、研究代表者・研究分担者全員が参加してほぼ月1回の割合で継続的に研究会を開催し、各分担者の研究の進行状況の報告と歴史学派に関する研究の現状について意見交換・討論を行なった。 各分担者は、次の通りに研究を進めた。 岡部は、日本の経済学導入期における、ドイツ経済学・歴史学派に関する文献を収集した。また、19世紀末〜20世紀初のドイツにおける方法論争に触発された大正期〜昭和初期の、経済理論と歴史の関係・その哲学的基礎に関する研究について検討した。江頭は、スタンフォード大学・ウィーン学団研究所・ウィーン大学において資料収集を行ない、歴史学派・オーストリア学派周辺の方法論的議論の実態と、ドイツ語圏への進化論の導入経路とを検討した。佐々木は、イギリス歴史学派に関する研究を,「W.カニンガムにおける理論と歴史」(北海道大学『経済学研究』第55巻第4号,2006年3月)として発表、カニンガムが、(1)歴史的事実の観察には理論的枠組みが必要なこと、(2)個性的出来事の説明が歴史的研究の課題であることを明示し、歴史的方法を彫琢したことを明らかにした。田村は、東京地区・九州地区の諸大学(早稲田大学・立教大学・九州産業大学・九州大学など)、東北大学の各大学所蔵の歴史学派ならびに同時代ドイツの経済学者の文献(原典)を調査、19世紀後半〜20世紀初のドイツ経済学界における資本主義観について検討した。 以上に加えて、2005年10月に、ドイツ在住の歴史学派研究者である竹林史郎氏を招聘、ドイツにおける歴史学派研究の現状について説明を受けるとともに、研究会を開催、「『歴史学派』への問い」と題して氏自身の研究成果の発表と、参加者による討論を行なった。
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Research Products
(1 results)