2007 Fiscal Year Annual Research Report
日・独・英における歴史学派の役割とその現代的意義に関する研究
Project/Area Number |
17330043
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡部 洋實 Hokkaido University, 大学院・経済学研究科, 教授 (10204017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 信一 北星学園大学, 経済学部, 副学長・教授 (40120886)
佐々木 憲介 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50178646)
江頭 進 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80292077)
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Keywords | 歴史学派 / 旧歴史学派 / 新歴史学派 / イギリス歴史学派 / 日本歴史学派 / 進化論 / 経済学方法論 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までと同様に研究代表者・分担者がそれぞれの課題について研究を進めるとともに、研究期間3年間の最終年度にあたることから、成果のまとめに注力した。 関連する研究者2名(Bertram Schefold氏[ドイツ・フランクフルト大学、本研究プロジェクト研究協力者]、野崎敏郎氏[佛教大学])を招聘しての研究会を開催し、関連分野の研究の現状について情報交換・情報収集・意見交換を行なうとともに、各分担者の研究の進捗具合などについても意見交換を行なった。また、岡部・田村は、小林昇氏、住谷一彦氏を訪問し、第二次大戦前後における日本の歴史学派研究についてヒアリングを行なった。さらに、大阪市立大学のゾンバルト文庫・福田徳三文庫を調査した(これらの調査には、研究協力者として成田泰子氏[北海道大学研究生]に同行を願い、補助業務を依頼した)。その他、各自、必要に応じて資料収集等を行なった。 岡部は、戦前期日本で、ドイツ歴史学派とは切り離された形で独自経済学の追求が「歴史学派」として始まった点を検討した。田村は、ドイツ歴史学派の世代構成に着目してそれぞれの特徴を析出しつつ、歴史学派の全体像の把握を試みた。佐々木は、イギリス古典経済学の頂点をなすJ.S.ミルにおける歴史的方法と、その後台頭したイギリス歴史学派との関係の解明を試みた。江頭は、歴史学派隆盛と同時期の19世紀末〜20世紀初のオーストリア、ドイツ、イギリスにおける進化論と経済学との平行関係を、当時の知識論と関連させて考察した。 以上の研究成果の主要部分は、『研究成果報告書』にまとめてある。
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