2006 Fiscal Year Annual Research Report
ベビーブーマー世代の高齢化と高齢者NPOの機能に関する国際比較研究
Project/Area Number |
17330117
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安立 清史 九州大学, 大学院人間環境学研究院, 助教授 (40192968)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 全夫 山口大学, 健康福祉学研究科, 教授 (40041016)
信友 浩一 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (90037424)
星野 裕志 九州大学, 大学院経済学研究院, 助教授 (60273752)
|
Keywords | NPO / ベビーブーマー / アクティブ・エイジング / 団塊の世代 / 高齢化 / AARP / CS神戸 |
Research Abstract |
平成18年度は、第1にベビーブーマー世代の社会参加に関する量的な把握のためアンケート調査を実施した。第2に高齢者NPOの機能の把握のために福岡と神戸でNPOの質的調査を行った。第3にベビーブーマー世代の社会参加に果たすNPOの機能を把握するために神戸のNPOによるベビーブーマー世代への実験的な講座の開催とその効果の測定を行った。第4にベビーブーマー世代の社会参加に果たすNPOの国際比較を行うためにアメリカ最大の高齢者NPOであるAARPを調査した。第1の調査は、福岡市に本部のあるパナソニック・コミュニケーションズの退職者団体である松九会の協力をえて、会員全員を調査母集団とするアンケート調査を行った。集計結果によれば退職前後での社会参加は少なく、NPOのような第三者機関が媒介しないと社会参加は促進されないことが間接的に立証できた。第2、第3の調査では、神戸市にあるコミュニティ・サポートセンター神戸というNPOにベビーブーマー世代のニーズ調査と実験的な講座の開催、およびそり効果測定の調査委託を行い、実施した。その結果、ベビープーマー世代も退職前後では社会参加を自発的には行いにくく、退職後3年程度経過してから社会参加の機会を探し始めること、また人による違いが大きく一流企業に勤務していた人ほど社会参加への閾が高く参加が低下すること、女性のほうが社会参加への意欲も実態も高いことなどが分かった。第4のAARPに関しては、AARPの幹部が来日して国連大学において二日間の専門家会議を実施したので安立清史と小川全夫が参加してアメリカのベビーブーマー世代の社会参加に関してAARPが行おうとしている実験についてCEOのビル・ノベリに対するインタビューなど広範囲に渡って聞き取り調査を行った。米国においては企業が退職前後に社会参加について役割を果たさないため、AARPのような高齢者NPOの果たす役割が極めて大きい。
|
Research Products
(6 results)