2006 Fiscal Year Annual Research Report
建築物内にいる人間の避難行動限界を考慮した構造性能指標の実用化に関する研究
Project/Area Number |
17360264
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小谷 俊介 千葉大学, 工学部, 教授 (30133101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 徹 千葉大学, 工学部, 教授 (10226855)
大網 浩一 千葉大学, 工学部, 助手 (60009545)
斉藤 大樹 建築研究所, 国際地震工学センター, 上席研究員 (00225715)
小豆畑 達哉 国土技術政策総合研究所, 建築研究部, 主任研究官 (00251629)
箕輪 親宏 防災科学技術研究所, 流動研究官室, 流動研究員 (90425512)
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Keywords | 建築構造・材料 / 地震 / 制震 / 耐震 / 構造工学・地震工学 |
Research Abstract |
実験的研究においては、平成17年度予算で整備した大ストローク振動台の性能評価試験を実施すると共に、この振動台を用いた人間の避難行動限界に関する実験を行った。避難行動限界に関する実験は2006年5月13,27,28日,6月3,11,16日の6日間にかけて行われ、周波数と振幅を変えて延べ16種類の加振に対し、起立動作と歩行動作をモーションキャプチャで記録すると共にアンケート調査を実施して行動難度、不安度、行動不可能度について調査した。被験者は20代から40代までの男性14名、女性7名、計21名であった。昨年度までに行ってきた実験と合わせると0.1Hzから5.0Hzまでの指標を整理することができ、行動難度の指標は短周期側では速度に比例するのに対し、長周期側では加速度に比例する傾向を見いだすことができた。この結果を踏まえて、追加の実験を2月27日に実施しており、現在解析中である。これらの研究成果を2006年建築学会大会、第12回日本地震工学シンポジウム、2007年構造工学シンポジウムなどに投稿し、成果を公表している。 解析的研究としては、一般的な床応答に加えて検討すべき課題として、連結制震を用いて旧耐震基準で設計された構造物の応答制御を行う場合と、免震構造物に長周期地震動が作用した場合の2種類を想定し、それぞれについてフィッシュボーンモデル等を用いて応答解析を行った。前者については旧耐震建物と新耐震建物を剛で繋いだときに旧耐震建物の床応答変位を低減する効果が観察され、特定の階に変形が集中することを避けることができることを確認した。後者については長周期地震入力時に免震層が過大な変形により側壁に衝突して上層部がどのような影響を受けるかについて検討を行い、上層階に大きなせん断力が作用するようになることを確認した。これらの成果を考慮すべき床応答のレベルとして適用していく予定である。
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Research Products
(9 results)