2006 Fiscal Year Annual Research Report
生物科学的機能を有する新機能コンクリートに関する基礎的検討
Project/Area Number |
17360273
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
橘高 義典 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (20177877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 雅紀 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助手 (80315754)
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Keywords | 高機能 / コンクリート / 免震 / 繊維補強 / 高靭性 / 混合モード / せん断 / 破壊力学 |
Research Abstract |
本研究では、従来のペーストマトリック+骨材に加え、新たな有機的な機能を持つ次世代に向けた高機能コンクリートについて実験研究する。本年度は、耐震性に優れる免震部位への適用を意図した、高分子繊維を含有することで高靭性化した有機質モルタルについてその破壊特性を検討した。また、既に検討した恒温機能(ヒートアイランド現象低減効果等)、植物共生機能(植栽基盤材料)などを持つコンクリートについて国際会議で発表した。 まず、高分子繊維を含む有機的モルタルの流動性状および強度性状を把握した。実際に使用可能となる材料条件を明らかにすることを意図し、材料条件、調合条件等を多岐に設定し、フレッシュ性状および圧縮強度などを把握した。 次に、免震部位等への適用の場合に卓越する破壊特性を考察し、その評価には、引張りとせん断が複合した混合モード破壊が不可欠でありそのためには破壊力学的評価が必要である事を確認し、それを適切に評価できる試験方法を検討した。従来の混合モード試験では破壊面の特定が困難である事より、4面に切り欠きを入れ破壊部分を特定し破壊面の直交方向に鉄筋により拘束を加えたはり型試験体に対する、4点載荷による混合モード試験方法を提案した。さらに、材料条件、拘束条件、繰り返し試験条件などを変え、混合モード試験での、荷重と切欠き部の開口変位(CMOD)および、ずれ変位(CMSD)との関係を把握した。載荷試験には、変位制御が可能なクローズドループ型サーボコントロール加力試験機を用い安定した破壊が得られるようにした。それらの結果から地震荷重時での免震部材の変形解析に有用となる材料構成則の評価方法を検討した。また、実際の構造物を単純化した質点モデルに対して、混合モード破壊条件での材料構成則を取り入れた地震力に対する変形追従解析を、地盤との相互作用も考慮した解析モデルを用い行ない、材料のモデル化の妥当性を考察した。
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Research Products
(5 results)